Sugar Nightmare

□No1 夜の夢には甘い甘い罠がある
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歩き始めてから約1時間。夜総玉に着いた。

「久しぶりだなぁ〜。」

渦さんが懐かしそうに言う。薫がちょっとだけ後ろに下がった。
何でだろ・・・?

「夕、ちょっと後ろに下がった方がいいっすよ。」
椿に言われて少し下がる。
・・・だから、何で?

足音が聞こえてきて、渦さんが後方に飛ばされた。
「?!」
「ね?」
椿が小首を傾げて笑ってきた。

「アレは、渦の持ち精霊ですよ。俺以外の。」
薫が渦の方を見ている。
その眼差しは決して優しいものではなく、少し哀愁帯びたものだった。

「渦ぅ〜!!!よくもあたしたちを置いていったわねッ!!!」
ピンク色の髪の女の子が、渦さんの頬を引っ張っている。痛そうだなぁ。
「そうだよぉ!!!薫だけだなんてズルイぃ〜!!」
水色の髪の色の男の子が、渦さんをけっている。何か・・・、酷いなぁ。
「・・・私たちをなめているのか?あんな未熟者精霊だけを連れて行くなど、どんな頭を持っているんだ。

緑の長い髪を後ろに流した女の子が、渦さんを見下している。

みんな、怖い・・・。


あ、男の子が走ってきた。薫とあんまり身長差がないんだ。
「お帰り。大丈夫だった?」
「マナ・・・。うん。何にも無かったよ。」
「久しぶり、マナ!」
「椿!早かったんだねっ!!」
元気がいいなぁ。みんな。

向こうから言い争う声が聞こえてくる。





「あたしたちの力が、新人に劣るもんですか!!」
「葉流(はる)」
「だから、言ってるんだ。私たちを連れて行けと。」
「メグ」
「未熟者なんかに負けないよ!!」



「う・・・ぁ・・・」

薫が苦しそうにしゃがみ込んだ。

「薫!!マナ、渦たち止めて来いッ!!」
椿が薫の隣に屈み込んで背中を擦る。薫はまだ苦しそうに息をして、顔色も悪くなってきた。
「うん!!薫、診ててよ!!」
「任せろ。」
マナ君が走って行った。
「げほっ・・・ぅぁ・・・、
つばき・・・ごめん・・・」
薫がしゃべった。
「大丈夫だ。お前の方が心配だよ。まだ、駄目なんだな。」
「・・・ぅん・・・けほっ・・・」


「だから薫は未熟だと言っている!!」



ビクンッ!!
薫の身体が大きく震えた。
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