colore
□colore
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ねぇ、XANXUS…
XANXUSにこの世界は、何色に映ってるのかな
今、並盛は真っ白だよ
【第106話】
『わぁ…積もってる!
白銀の世界だー…』
みちるは自宅マンションのベランダから、並盛の町を見下ろしていた
ピシャリと刺すように冷たい空気が、みちるの身体を取り巻く
2月
昨夜から降り続けた雪は、町を真っ白に染めた
朝日でキラキラと眩しく、みちるは少し目を細めた
『…4ヶ月か』
指折り数え、みちるはため息を吐いた
白く吐き出された息は、溶けるように消える
ボンゴレ次期ボスの座を賭けた、リング争奪戦から4ヶ月…
季節は秋から冬へと巡り、色付いた町は少し落ち着き、心なしか寂しさを感じる
いや、みちるは確かに寂しさを感じていた
死闘を繰り広げた争奪戦、勝者はツナだった
それぞれの守護者達が一対一の死闘を繰り広げ、多くの血を流し、傷付き…命を落とした者が居なかった事はまるで奇跡のような、そんな激闘だった
XANXUSの実力は圧倒的で、ツナは苦戦した
しかし、戦いの中でのツナの急成長はやがてそれを上回った
XANXUSには持ち得ない、ボンゴレの血“超直感”により…ツナの技は進化を遂げた
そして突き付けられた真実は、その場に居た全員に衝撃を与えた
…XANXUSはボンゴレの血統ではなかった――…
少し伸びたみちるの柔らかな髪を、冷たい冬の風が梳いていく
身体の芯が寒さを訴え震えたが、みちるは唇を噛み締めるだけでその場を動かない
『氷の中は、きっとこんなもんじゃなかっただろーな』
ねぇ、XANXUS…
見上げる空は錆色
まるで今のみちるの心境を表したような、晴れない色
痛みさえ感じる寒さに、みちるは両腕を擦り合わせその場にうずくまった
終結したリング争奪戦から4ヶ月…
みちるは大きな決断をしようとしていた
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