†Μοον Cροw月鴉†
□Moon Crow2――稲と狐と鴉
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『此処が、稲荷の村か…。』
月鴉は小さな村の小さな門の前に立ち呟いた。
『随分としょぼい村だな…。ホントに宝があるのか?』
聞いた話しによると、蒼乱狐に守られた稲荷の村には凄い宝が眠っているらしい。その宝は手にすると不死身の体を手にする事が出来るらしい。
『…不死身って時点でうさん臭いな。』
そして、月鴉は一歩踏み出し村に入った。
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「鴉が一羽、迷いこんだ…」
森の奥にあるほこら。その前にほこらを見下ろし呟いている少年がいた。
【ホント?結界があるのよ?鴉が入れるわけないわ】
ほこらの中から女性の声が聞こえてくる。少年は、動揺せず話す。
「しかし、見たところ鴉は一羽もいませんでした。」
【どう言うこと?鴉が入ったんじゃないの?】
「鴉の邪気が入ったと思い見たのですが、入ってきたのは面をつけてない人間で、村中を探しましたが一羽もいなかったです。」
少年が言い終わると女性の声はフフツと笑った。
【命(ミコト)…。その人間を殺しなさい。】
「…はい」
命はすぐに立ち去った。
立ち去った後、女性の声は静かに呟いた。
【Moon Crowと月鴉…。ここに来るとは思っていたわ。来た事を後悔させてあげるわ。】