Dream2
□カレーライスの女
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静かな台所に響く規則正しいトントンという音。
ねえ
私 大分うまくなったでしょ?
あなたの為に頑張ったんだ。
あなたが「家庭的な人が好き」って言ったから、その日の帰り料理の本を何冊も買って、毎日毎日練習したの。
飽きっぽい私がここまで何かを上達させられるなんて思ってもなかったわ。
野菜だって等間隔で切れるようになった
冷蔵庫の食材を見て、自分で新しい料理を考えるくらいになったのよ。
なのに ねえ
なんであなたはここにいないの?
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