小説

□・春酔い
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ざわざわとざわめく新緑の天幕の下で目を閉じれば、あっという間にジローの意識は深く沈んで行く。広大な学園の敷地の隅ならば、滅多に人には見つからない。

天気は上々、風も柔らかくジローの頬を撫でていく。木々のざわめきと時々聞こえてくる鳥の声は眠りの妨げになることは無い。初春の歓びを体全体で感じながら、彼は落ちる様に意識を手放した。








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