小説

□・Time
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アンタを遠くから見てる。



例えばコートで柳先輩と打ち合ってる。

例えば遅刻した丸井先輩を怒ってる。

例えば―――随分顔近付けて柳生先輩と話し込んでる。……ちょっと近すぎなんじゃない?

「赤也?何を呆っとしている」

あんまりに見つめすぎたのか副部長がこちらを振り向いた。柳生先輩も不思議そうにこちらを見ている。何をしているって訊かれても、アンタを見てましたなんて言える訳がない。

「いやー、次俺と柳生先輩の試合なのに、いつ話が終わんのかなあと」

これは前半部分はホント。試合形式の練習で、次は俺と柳生先輩のゲームなのだ。
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