小説
□・花開くまで
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「みーなみーぃ!」
教室のドアからオレンジの頭が覗いている。呼ばれた南が顔を上げると、オレンジ色の髪の持ち主はニッコリと笑い掛けた。その笑顔にこっそり溜め息を吐くと、南は席から立ち上がって出入口へ向かう。
「なんだよ、千石」
近付いて話し掛けると、更にヘラリと顔を弛める千石。
「別に、南の顔見たかっただけー」
「……はぁ?」
思わず抜けた声が出る。それを受けて千石が面白そうに目を細めて南を見つめた。
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