小説
□・Brother・前編
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――誰かが俺を呼んでる
『…―かや……』
――あれ…この声、知ってる…
『お……ろ、赤――…』
――そうだ、この声…俺の大好きな声……
「ん………」
「起きんか馬鹿者!!」
「へ?」
ばっちり目を覚ました瞬間。
俺の頭は激痛に見舞われた。
「いってぇ・・・!な、何すんだよ兄貴!家でまで殴る事ないだろ!!」
「馬鹿者!ならばさっさと起きんか!!」
そう怒鳴って俺の部屋から出て行く姿は部活でみている『副部長』そのもでーー。
改めて、『真田弦一郎』は立海大附属中等部テニス部の鬼副部長で、そして、
「赤也、早く顔を洗ってこい!母さんが朝食の片付けができんだろうが!!」
「〜〜今行くよ!」
そして、俺『切原赤也』の兄貴なのだと認識した。