小説

□・Close the World
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聞こえてくるのは遠くを走る車の音と、エアコンの微弱な機械音。


目に写るのは真っ白な天井。




感じるのは――








「真田君…」


耳元で囁かれ、俺は早くも虚ろになった瞳で柳生を見る。覆い被さる様に――否、実際覆い被さって俺を見下ろす。薄いレンズに乱れた前髪が掛かって、普段の柳生からは想像も出来ないだろう。そしてそれは俺も同じ。
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