小説

□・花開くまで
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南を想うと胸が締め付けられて苦しくなる、そんな自分が不思議だ。南は見た通り男で、口煩くてすぐ怒るし地味だ。そりゃタッパはあって顔は良い方だと思うけど、だからって見惚れちゃう様な美形じゃないし女っぽくも無い。なのに、何でこんなに好きなのか千石本人にだって謎だ。



 (でも、南が好きだ)



それだけは確かに千石の中で確立されていて、どうやら消えそうもない。芽生えてしまった感情は後は花開かせるのみ。


(待ってなよ南。絶対俺に振り向かせてみせるよ!)


始業のベルが鳴り、その授業が南の得意教科だと気付いて、千石は再び笑みを深めた。











  END.
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