小説

□・My song for you
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「真田ぁ、結婚しようよ」

見舞いに訪れた真田に、林檎をかじりながらが言ってみた。真田は座り掛けていた椅子から転げ落ちてしまった。思わず吹き出してしまう。

「何してんの真田」

「…〜ばっ、馬鹿者!誰のせいだ!!つまらん冗談は止せ!」

真っ赤な顔の儘ブツブツ文句を言いながら椅子に座り直す真田を、俺は目を細めて見つめた。さっきの言葉はあながち冗談じゃないよ、と心の中で呟く。

――真田。さっきの台詞、もし俺が、俺の病気が悪化して、死の淵に立った俺が言ったとしたらお前はどう返したろう?優しいお前の事だから、きっと頷いてくれる。

――でも、それは"愛"じゃない。"情"だ。俺はそんなものが欲しいんじゃない。正真正銘お前の愛が欲しいんだ。だから、きっとお前を惚れさせて見せる。

「――真田、俺早く体を治してお前とテニスがしたい」

「む、俺もだ。待っているぞ幸村」



うん、待っててよ真田。その時を。


君を抱き締めるその日を待ってて。







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