小説
□・背中
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「柳、マッサージしてくんない?」
久しぶりに会ったらこんなこと言われた。人の部屋で寝そべってだらけてるパパは完全に無防備の、ホントに"日曜のオヤジ"。俺は思わず溜め息吐いて一応文句垂れてみる。
「パパ、オヤジ臭いよ」
「うっせえな。疲れてんだよ仕事続きで」
うつ伏せになって喋ってるから、くぐもった声しか聞こえないのが何かちょっと不満。俺は渋々パパの背中に手を置いて体重を掛けて指圧する。なるほど、背中の筋肉が随分張ってるみたいだ。
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