小説

□・Brother・前編
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「全く、そのだらしない性格はなんとかならんのか。小さい頃から」

ぶつぶつ言いながら俺の目の前で朝飯を食っているその人は、紛れもなく『真田副部長』だ。しかし、今迄の会話から解ると思うけど、俺とこの人は『兄弟』なんだよこれが。暗い話になるから端折るけど、元々俺とこの人は同じ施設で暮らしてて、まあ別々の家に引き取られたって訳。今日は副部長・・・つまり兄貴の家に泊まりにきている。これは両家の親も納得していることだし、大体妙に親同士も仲が良いから一緒にメシ食いに行ったりもするしさ。真田家の朝食は和食で美味い。俺は漬物を齧る。

「解ったよ、もう」

「お前な、エースとしての自覚を・・・」

「あーもう、解りましたよ、副部長!」

全く・・・口うるさいのはプライベートでも部活でも変わんねーんだから。
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