小説「湊の生涯」H2編
□第4話
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2年生になった俺達。春の風を感じる4月の今日、新入部員が入って来た。
第4話『新入部員』
その中に、あの佐川周二もいた。富士夫は、佐川の上手さに、
富「国見、あれ誰?どっかの部から冷やかしに来たんじゃないのか?」
富士夫は疑ったが、比呂がすかさずフォロー、
比「あいつは佐川周二。紛れも無くうちの新入部員ですよ。」
これを聞いた富士夫は安心し、
富「佐川!」
佐「はい!」
富「もう一丁いってみよう」
佐川は上手い。そして、木根並に足が速い。
富「よーし、次はフリーバッティングだ」
新1年にまず打たしてみたら、佐川のみが綺麗なバッティングをした。他の1年の中には、当たれば飛ぶ奴もいた。次に2年が打ち始めたら、比呂、野田、柳、木根のバッティングを見て1年が関心していた。本日は、藤原は店の手伝いでいないので片山が打撃投手を務めていた。
柳「服部、脇閉めて!」
服部に指導する柳。服部が綺麗に球を飛ばすと、
柳「そうだよ、服部」
柳が褒めていた。比呂が打ち終わると、佐川が寄って来た。
佐「そういえば、湊さんは?」
比「湊は吹奏楽の助っ人指導に行っているよ。元々、湊は吹奏楽部だからな」
佐「そうなんですか」
佐川は驚いた様だ。そうしているうちに、
富「今日の練習はここまで」
『お疲れ様でした』
富「それから、1年全員に忠告だ、絶対怪しい行動をするな、もしバレたら説教確実だと思え。以上」
1年はざわついた。佐川が比呂に聞いた。
佐「もしかして、説教はあの監督がするんですか?」
比「違うよ、湊がするんだよ」
佐「え?何故ですか?」
野「昔から湊はよく説教してたよな。よく湊の私物を勝手に使ったの時に」
佐「鉛筆とかを使っただけでですか?」
比「違うよ。教科書とかだよ」
佐「あ、それなら分かります」
比「そういえば、昨年の文化祭の時とか、俺が古賀とフォークダンス踊るのに気付いて、行けない俺の代わりに代役を送ってくれたし」
佐「何者なんですか?湊さんて」
比「詳しくは教えられないよ」
佐「どうしてですか?」
佐川が比呂にもっと湊について、聞こうとしたら、
湊「だーれ?人の噂をしてるのは」
ギクッとした3人。なんと、湊がいた。
湊「練習が終わって帰ろうとした時に、噂が聞こえてワープしてきたら、これかい」
佐「ごめんなさい、湊さん。俺が悪いんです。俺が湊さんの事が知りたくて」
すると、湊から思いがけない言葉が帰って来た。