小説「湊の生涯」H2編

□第17話
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激しく燃えた明和一対千川。試合は千川が勝利。しかし、もう1つ、俺達が決して忘れてはいけない事があった。



第17話『勝利の美酒に酔いしれた後に』



湊「少し、出掛けて来るね」

比「ああ」

湊は出掛けた。

佐「さっきの、湊さんですか?」

比「…あぁ」

湊が向かったのは、明和一の宿舎だった。いつも素振りをしている英雄も、今日はしていなかった。湊は、明和一の宿舎に入った。玄関には、稲川監督がいた。

稲「ん?お前は千川の国見 湊ではないか」

湊「はい、そうです。ひかりさんと英雄、いますか?」

ひ「あら、ここにいるわよ」

湊「明日の試合、見に来て下さいね」

ひ「ええ、勿論そのつもりよ。明和一野球部全員で見に行くって、監督も言っした」


湊「そう、よかった。千川3年最後の試合、そして…僕の生涯最後の試合を…」

ひ「え?ちょっ…」

湊は帰って行った。ひかりは、湊の言葉に疑問を抱いた。



次の日、相手は明和一ではないが超満員。今日のオーダーは、3年全9人であるが、

1.木根(中)
2.柳(ニ)
3.比呂(三)
4.野田(捕)
5.湊(投)
6.藤原(左)
7.片山(遊)
8.服部(一)
9.杉山(右)

である。

ひ「今日、湊君が先発か…」

稲「それに、メンバー全員3年のオーダーだぞ?」

英「比呂がサード!?あいつ、大丈夫なのか?」

小「木根!頑張れ!」

試合が始まった。千川が先攻である。1番木根、三振。柳は内角球で三振。比呂、カキーン

実『国見、初球HRだー!』

今日の比呂は、いつもと違う。野田はレフトフライだった。これで1-0。

実『次の会津高校の攻撃ですが、その前に千川の守備が面白いですね』

解『あの国見君がサードで、双子の湊君がピッチャー。確かに面白いですねぇ』

実『ただ、湊君はピッチャーをして、9回もたないそうです』

解『国見君がリリーフをするんでしょうか?』

実『はたして、どうなんでしょうか?』

1回の攻撃はピシャリと抑えた。しかし、あの力は使っていない。2回表、湊、カキーン

湊「水が溢れ出すスプレッド打法!」

で、センター前。藤原、カキーン

藤「天空に雷鳴を轟かせる、サンダーブレード打法!」

で、レフト前。そして片山、カキーン

片「古の業火に焼き尽くされるべく、消えよ!エンシェントノヴァ打法!」

HRで4-0。だが、服部、杉山、木根は、3人ともフライで凡退。その裏、湊、2失点。4-2。3回、柳はサードライナー。比呂はレフトフライ。野田はセンターフライで終了。その裏、なんとか0点にしのいだ湊。

比「大丈夫か?湊」

湊「うん、何とか…」
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