小説「湊の生涯」おお振り編
□第29話
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4月6日、埼玉県の東部に位置する中学校の入学式…
第29話『泉家の双子@〜おお振り編スタート〜』
俺、泉 孝介は、双子の湊と共に中学へ進学した。
湊「自分は孝介と同じクラスだ!」
孝「やったな!湊」
同じクラスにもなって、2人は絶好調!しかし…
孝「湊、部活は何に入るんだ?俺は野球部」
湊「自分は吹奏楽部。体力、あまりないし、音楽が好きだから」
孝「…そうか」
湊「でも、土日は休みらしいから、その時は野球部、見に行くね」
孝「おう!待ってるぜ」
部活だけは別々だったが、帰る時は、いつも一緒だった。
湊「どうだった?」
孝「まぁまぁかな?湊は?」
湊「楽しそうだった。で、孝介のポジションは?」
孝「足が速いから、外野手だって。で、湊の楽器は?」
湊「オーボエ」
孝「??フルートなら分かるけど…」
湊「まぁ、上手になったら聞かせてあげるよ」
孝「おう!」
4月中は意気揚々としていた。
5月、野球部の練習が終わった後、湊と待ち合わせをしていた孝介。
孝「お!湊ー!」
湊「孝介ー!」
いつも通り帰る2人に…
湊「貴方は誰?」
孝「あぁ、この人は野球部の先輩で、小学校も同じだったんだ」
浜「浜田良郎だ。よろしくな」
湊「よろしくお願いします」
で、湊が何かに気が付いた。
湊「リトルリーグ肘ですか?」
浜「え?何で分かったの?」
湊「さて、何ででしょう?」
この3人は、あっという間に打ち解けて、仲良くなった。しかし、3人にの先に待つ未来は、甘く無かった。
6月、5月の中間テストは、並々だった2人。今日も3人で帰っていた。しかし、知らない内に、人気の無い空き地に着いてしまった。
孝「あれ?おかしいなぁ…家の方向なのに…」
すると、浜田が…
浜「わぁ、囲まれているぞ!」
そこには、狼のモンスターが、3人の周りを囲んでいた。しかも15匹。
孝「くそち、これじゃ、逃げられない…」
浜「どうするんだ?俺達、殺されてしまうのか?」
湊「自分が2人を守るよ。2人は、この空き地の中で逃げ回って!」
浜「え?」
湊は、本らしい物を持って、突っ込んで行った。
『ええー!?』
2人は、必死で逃げ回る。湊は、狼を相手に頑張っている。
湊「出席確認!」
湊が、次々に狼を倒していく。しかし、1匹の狼が湊の背後から攻撃してきた。
湊「わぁ」
浜「危ない!」
湊「よくも!巡回!」
これで、狼15匹全てを倒した。しかし、湊は怪我をしていた。