小説「湊の生涯」おお振り編
□第32話
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入学前の春休み、西浦高校を訪問する事にした2人は、自転車で西浦高校に向かっていた。
第32話『入学前の西浦野球部』
2004年3月、中学卒業後、合格で西浦高校に入学が決まった孝介と湊は、今月下旬に、西浦高校へ行く事になった。
湊「孝介、練習着持った?」
孝「おう!持ったぞ」
湊「じゃあ行こうか。行ってきまーす」
2人は自転車で西浦高校へ。40分の道のりだ。
孝「じゃあ、あとで野球部に来いよ!」
湊「了解!」
で、湊が吹奏楽部に行くと、大騒ぎになった。その理由は、昨年、オーボエで中学日本一になったからだ。で、湊が西浦を受験する噂が流れた時から、マーチングを始めたらしい。理由は、そうでないと、湊が入部しないと踏んだんだろう。で、部長は、
部長「吹奏楽部に入ってくれますか?」
湊「入りますよ。でも、掛け持ちするかもしれませんよ」
部長「いいわよ。入ってくれるだけで、嬉しいから」
湊「分かりました。練習を続けて下さい」
湊は大人気。で、色々回って、最後に野球部へ行った。すると…
湊「え?」
とても若い女の人に捕まって、強引に野球部グラウンドへ連れて行かれた。
?「もう1人来たよー」
孝「み、湊!?」
湊「孝介〜。この人誰?」
?「あら?君達知り合い?」
孝「双子です」
百「双子かぁ。あまり似てない方の双子なのね。私は、監督やらせてもらってます、百枝まりあです」
湊「初めまして、泉 孝介の双子の泉 湊です」
すると、孝介以外に来ていた2人のうちの1人が、
?『もしかして、君は中学でオーボエ日本一になった、あの泉 湊?』
湊「はい、そうです」
質問した人と、百枝が驚愕した。しかし、もう1人は首を傾げてした。
?「でも、そんな人が何故、野球部に来てんだ?」
湊「あぁ、色々見てるの。それだけじゃ駄目?」
?「そうか…」
百「あ、2人の紹介がまだだったわね。えー、彼は」
湊「捕手の阿部隆也君に、内野手の栄口勇人君だよね?」
阿「ああ、そうだ」
栄「内野手だけど、厳密には二塁手だよ。って、何で名前とポジションが分かったの?」
湊「それだけは秘密ね」
阿「何故だ?教えろ!胸糞悪いぞ」
湊と孝介は困った。で、2人は、ある事を思い付いた。
湊「ねぇ、今から勝負しない?そちら2人と監督の3人で、僕の球を打てたら、秘密を話すって事でどうかな?」
阿「いいだろう。野球素人さん」
いきなり勝負する事に。
湊「ルールは、…でお願いします」