小説「湊の生涯」H2編
□第1話
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木「け、なめるなよ」
と、木根が投げたカーブを比呂は満塁HR。12-7とし、次の9番ライトの湊もHRを打ち、3番セカンド片山も出塁するものの、打線は繋がらず…
木「負けてたまるかよ!」
そういう木根だが、8回と9回裏に比呂、湊、片山に目茶苦茶打たれ、最後は野田が満塁HRを放ち、試合終了。結局16-12で野球愛好会の勝利。サッカー部はこの試合のせいで、周りに笑い者扱いをされるはめに…
その後しばらくして、
山「君達、何処の中学出身?」
唐突な3年山口の質問に、
比「青南中です」
全員「えーーーー!?」
愛好会の人も驚くが何のその、比呂&野田は、地区NO.1バッテリーだったのだ。驚く理由もよく分かる。
古「……」
しかし、比呂は『3ヶ月で壊れる硝子の肘』、野田は腰に異常有りと、それぞれ中学の時に医者に言われたのだった。
愛好会に入会したものの、何日経っても顔1つ出さない2人に、先輩と古賀は困っていた。
藤「さっ、練習しましょう!」
今日は湊が吹奏楽部の助っ人指導に行っているので、藤原が練習を進めていた。湊がいないのを知ってなのか、煩いハエが1匹
木「なぁ古賀〜、こんなんやってないで早くサッカー部マネージャーになってくれよぉ」
古「嫌よ」
木根がねちっこく古賀に話し掛けていると…
ドンッ
?「邪魔」
木「うるせ…」
木根が硬直したのは、吹奏楽部の助っ人指導に行っていた湊がいたからだった。
湊「何か文句を言いたそうだな、木根」
木「ひぇーーー」
木根は逃げ去った。
湊「さぁ、練習続けましょう!」
次の日
Purururururu…ガチャッ
ひ「もしもし、比呂?」
ひかりからの電話をとった比呂。ひかりが新聞の社会面を見ろと言うので、見てみた。すると…
比「強盗、殺人未遂、無免許医師」
ひ「そうそれよ」
その記事を見て、比呂は新聞を床に落とした。その後、比呂と野田はひかりと英雄の付き添いのもと、大学病院へ。
ひ「どうだった?」
比「硝子の肘だってさ」
英「…そうか」
比「硝子は硝子でも、銃弾が当たっても割れない防弾硝子だぜ」
ひ「えっ?」
野「俺も腰の異常は無いって」
ひ「…と、いうことは?」
比呂と野田はこう言った。
『あのインチキ医者めー!!』っと。
野「でもこれで、また野球が出来るな!」
比「ああ。湊達も待ってる」
2人は次の日から野球愛好会に顔を出す様になった。それを一番待っていたのは外ならぬ湊だった。