小説「湊の生涯」H2編

□第2話
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11月中旬、千川高校の文化祭である『千川祭』が行われるのだ。そして、野球部の招待試合も行われるのだ。

比「招待試合?」

有「ああ、そうだよ」

2学期からキャプテンを勤めている有川が言うと、

比「嫌な予感だな」

2人は顔を合わせ、

『栄京学園?』

有「何で分かるの?」

なんと、相手は秋季大会準優勝の栄京学園であった。2人はグラウンドへ移動。

比「柳ー」

柳「ん?」

比「また、お前の親父の嫌がらせか?」

柳「ああ、その事か。違うよ、向こうから是非って」

柳の説明を聞いて比呂は、

比「確か、あのじいさんから電話があったな」

野「何ー!?で、何て?」

比「一緒に甲子園に行かないかって」

野「そいで?」

比「勿論断ったさ。誰があんなじいさんと甲子園に行くかよ」

野「……」

そうしていると、仲良し4人衆が来た。

野「湊!招待試合の事聞いたか?」

湊「誰に言ってるの?そんなのお見通し!栄京でしょ?相手」

比「やっぱりバレてらぁ」

湊には普通にバレていた。4人は比呂達に何かを話している。

湊「という事で比呂、自分と片山と正の3人は当日模擬店だすの。だから試合に出れないから」

『何ー!?』

キャプテンもビックリ。

藤「でも、服部には試合の雰囲気に慣れて欲しいから試合に出してあげて欲しい」

有「分かった」

野「どうせ来年同じブロックで栄京と当たるから、3人は『隠し玉』という事で」

『賛成!』

満場一致で可決した。

片「店に来てよ」

杉「OK」

藤「藤原豆腐店を宜しく」

湊達の店は、藤原の『豆腐店をやろう』と言い出したのがきっかけだった。藤原の実家は豆腐店である。よく湊は豆腐を買いに藤原豆腐店に行くのだ。

湊「ノックするよ!」

『おう!』

320球ノックの後、湊は倒れた。

有「湊、大丈夫か?」

有川が心配していた。



11月中旬の日曜日、『千川祭』が始まった。

湊「いらっしゃーい」

片「いらっしゃいいらっしゃい、豆腐1つ100円だよ」

服「豆腐ドーナツ3個で100円だよ!ヘルシーだよ」

藤原店長の豆腐店は大繁盛。100個限定の豆腐ケーキは瞬く間に売り切れてしまった。

藤「こりゃ追加生産だ」

豆腐ケーキは午後に販売をする事にした。一方グラウンドでは、

佐「縦縞のユニフォームは合わねぇな。邪なあんたには」

この前、比呂と野田が公園で会った英雄の幼なじみの佐川周二が、試合を見に来ている。話し相手は、栄京の左腕のエース広田勝利、1年だ。
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