小説「湊の生涯」H2編
□第6話
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湊「2人共、大丈夫か?」
野「お蔭様で」
片山が2人にヒールを掛けて、回復させた。その後、柳は例の事について聞いた。
柳「湊君、作曲コンクールの結果はどうだった?」
しばらく4人の間に沈黙が走った。
柳「やっぱり駄目だったの?」
しかし、湊の口からは、信じられない言葉が返って来た。
湊「一次審査通過!明日の最終審査で全てが決まる」
野「おお!すげー」
片「なので、明日も試合に行けないから」
野「おーい」
結局、明日も2人は作曲コンクールへ行く事になり、富士夫が全員に伝えた。
富「明日の相手は、石神商業だ。気を引き締めて行くように」
『はい!』
石神商業には、古賀と何かの関係がある支倉三木雄がいるチームである。
古「…」
ちなみに、あの2人は今日も、コンクールに向けて、最終確認をしていた。
次の日、北東京大会2回戦当日。
湊「皆、頑張ってね」
片「頑張れよー!」
有「2人こそ、頑張れよー」
千川野球部は2つに別れ、それぞれの戦場へ向かった。今日の相手は、強豪と歌われる石神商業だ。
『プレイボール!』
先攻は千川。しかし、2チーム共、攻撃が繋がらず、5回まで0-0のまま、とんとん拍子で試合が進んだ。そんな時に、
野「監督!森谷さんが倒れました。」
富「何!?」
野「緊張のせいでバテてしまった様です」
富「んー…」
富士夫は少し悩んだ末、
富「島!」
島「はい?」
富「お前、レフトへ入れ!」
島「は!?」
半ば驚愕した島は、レフトへ。外野ならどこでも出来る藤原はライトへ移動した。6回裏、あの支倉三木雄が島のいるレフトへ打った。一旦落としそうになったが、ギリギリキャッチ。
木「危ねー守備だな」
木根は、溜息をついた。一方、その頃…
?「ここ、いいですか?」
太「はい、どうぞ」
試合を見に来ていた、比呂と湊の父・国見太郎は、どっかの人と話をしていた。
?「私、こういう者です」
太「古賀商事の社長さんですか。私は流れ者です。」
太郎は、変装していたので、バレていなかったが、たまたま通り掛かった古賀のせいで、正体がバレてしまった。
社「君が、我社一のお気楽社員・国見太郎だな?」
太「ひぃー」
びくつく太郎。社長は、
社「お前の息子がノーヒットノーランを達成したら、今日の事は見逃してやろう。」
太「息子よ、頑張れ!」
他力本願な父…しかし、千川野球部も、点が取れないので、苦戦していた。7回表…カキーン。
佐「ナイス!キャプテン」
5番有川、6番佐川はヒット。