□Bectar Bloom Heat
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這う指先で喘(あえ)がる吐息に、動きに合わせて上がる胸と肩。

縋るように首へ回されるしなやかな腕が、何かを語る。

揺れる声は、妖しく濡れ艶めいていき。

開花した蜜花からは、高い芳香を漂わせた。

「ぁ、あっ…は、ぁっ…んっ、ゃ、ぁあっ!!」

鼻孔をくすぐる甘い蜜は、人を意図も容易く酔わせる、触れてはいけない危険な媚薬。






Bectar Bloom Heat




「くっ…は、っ…はぁ…べ、んけっ…」

最愛の人の、高ぶりが最も深く繋がっている奥へ放たれた。

汗ばむ肌同士はぴったりとくっついたまま。

耳朶の傍で、荒く乱れ、濡れた呼吸に体は過敏に反応を示す。

「こんなに震えてる。感じて気持ちよかった?」

また弁慶の身体が打ち振るえ、掠れた声でも適わないと悟り。

身体の隅々まで支配するような小悪魔の囁き。身体が完全に堕ちきれない、痛みのある快楽が増幅される。

横目で恨めしげに見つめ、意地を張るかのような態度を見せる年上の恋人。

頼もしくもあり、だけど時折見せるほんの一瞬の危うさに、想い慕う心は惹かれていた。

「好きだよ、弁慶。もっと、オレだけを見て。オレで感じて…オレと一緒に溶けてよ。」

睦言は愛する人のために、愛する人を縛り付ける鎖。

時に甘く、時には激しく、恋仲(ねつ)を貪り融合して甘美な交わりを幾夜も織りなす。

まるで、一本の橋梁(きょうりょう)のように、熱が溢れ出し逃げる道を容易に塞いでいく。


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