□ときのあゆみ
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ヒノエの肉棒が内壁をスライドし、背筋が震える程の最高の快感を与う。

「…っん、ァッ!…はぁ、ぁっあ…」

麻酔がかった思考。

手足が痺れ、陶酔する身体。

相手を思う心が、洪水のように溢れ。

「ひ、ぁん…す、きぃ…ひのっ、え……好き、です。」

背中に回した腕へ力がこもり、濡れた瞳に熱が加わる。

喘ぎと共に零れる吐息と、睦言。

蜜壺からくちゅ、ぐちゅと不規則で卑猥なメロディーが繰り返し奏でられる。

「っ、オレも好き。あんたは、サイコーのっ……オレの女、だよ。愛してる…」

低く掠れ、僅かな喘やかな吐息が弁慶の耳朶を悪戯する。

切っ先が感じる箇所を突き上げては擦るたびに、ピン、と手足が突っ張り。

太腿が微かに痙攣を引き起こす、絶頂の兆し。

「好き…す…してぇ…キス、欲しッ……んんっ…はっ、はぁ…ん、…ふぁ…」

ねだる柔軟な唇が、吸う度に甘く感じる。

呼吸に合わせて揺れる豊満な胸。

しなる身体は、男を満足させる術を持つ。

「はは…オレが、ハマるのも…無理、ないね。弁慶、中に出すよ。」

「早く、きてぇ…ひゃ、ぁ、ああぁーっ!!」





隣で息を乱し快楽で細かくうち震える身体を、片腕で優しく抱き締めながら、乱れた蜜色の髪を手櫛で好き。

余裕ある筈の表情に、苦笑の翳りが滲む。

「ごめん、激しくし過ぎたね。弁慶が悦がるからさ。」

「いい、え。だって、君を…ヒノエを感じ、たかったから…」

「…可愛いこと言ってくれるね。」

汗が滲む額へ口唇を寄せ、そっと吐息を残すような接吻。

「可愛くはない、けれど…本当のことを言っただけ。でも…ありがとうございます。」

ふわりとはにかむそれは、女性が持つ天使のような慈愛が滲む微笑だった。




かち、かち、かち、かち…




時は残酷。


けれど、その刻みが愛情を産み、想いを深めてゆくのだろう…。



時は
想いも歩み、刻んでいく―…







end
→あとがき

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