証
□かける、はやさ
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もう何度、絶頂の極みを教え込まれたのか定かではない。
最奥部を張り詰めた物で突き上げられ、女性のような声をあげ続けた。
「っ、は…今日、やたら感じてるんじゃない?すごい、っくぅ……ん、はぁ…締まる、んだけど。」
「ゃ、やぁ…っん!!あぁっ!…ぁ、あっ…」
身動きすらさせてもらえない、激しい律動。
言葉を発するのでさえ、ままならない快感。
幾度めかの絶頂の波が、体を支配する。
甘い、甘い痺れるような電撃が脳髄を掻き回し、高らかな嬌声を零しながら全身を弛緩させた。
「…いつまで、凭れているつもりです?」
暫し、互いの乱れた呼吸音が、静まり返った空間に響き。
不機嫌、とも取れる情事で掠れた声が、ヒノエの耳朶を叩いた。
脱がされた衣は丁寧に直され、今は背中合わせで座り合っている。
「あんたと居ると落ち着くし。居なきゃいないで落ち着かないからね。今のうちに補給、かな。」
「っ…勝手に言ってなさい。」
衣擦れの音と共に、背中から温もりが離れ。
「ずっと、愛してる。昔から今も。未来も約束するさ。」
ちらりと肩越しに振り返り、立ち上がった弁慶の外套から微かに覗く耳朶が赤く染まっていた。
end