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□過ぎてしまったけれど…
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こと…
残った第二ボタンが窓から入ってきた風に揺られて音をたてた
「…愚か者め…」
…長曽我部元親は、卒業式に来なかった。
我がせっかく既に第二ボタンを学ランからとっておいてやったというのに!!
第一廊下は走るな!とか言っておきながら貴様はなんなのだ!!
卒業式をサボりおって!!!
「長曽我部なんか滅してしまえ!!」
こと…
また風に揺られて一つのこった第二ボタンが揺れた。
…あぁ、いつまでもこんなもの残していても仕方ないな…。
片倉先生に頼んで図書館に寄贈しよう、そうだ、そうしてしまえ
「そうだ…。いつまでも残していたら、まるであいつみたいに女々しいではないか」
欲しいと言いながら取りにこない貴様が悪いんだ、バカ
「…片倉先生は、今いらっしゃるだろうか?」
すっかりボタンがなくなってしまった学ランを一瞥して、我は部屋を出た
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