音色に乗せて
□感傷
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ひらひらと花が散る。
ひとひら、ひとひらに、
言いようのない何かを思う。
それが何なのか分からないし、
分かるつもりもない。
ただ、言えるのは
間違いなくそれを俺が
―――待っていた―――
と、いう事だけだ。
ひらひらと、花が散る。
桜の花が、惜しむように散る。
らしくないと思うけれど、
それでもこの胸に湧き起こる感傷。
それを噛みしめるように、俺は煙草に火を点けた。
終。
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