テニスの王子様・裏・ブック
□比翼連理
2ページ/2ページ
ふいに首筋に熱い吐息を感じた。
それが耳元に移り……。
「いやらしい子だ……こんなに濡らして」
突如囁かれる言葉に心臓が跳ね上がる。
電車の走行音で周囲の乗客は全く気付いていない。
蠢く指は蜜口を探り……
やがて奥へと差し込まれる。
「んんっ」思わず漏れてしまう声を唇を噛んで押し殺した。
「可愛いよ……感じてるんだね?」
やめて!
ふるふると頭を振って否定する。
指の出し入れをすると同時に、親指で蕾にも甘美な刺激を与えられる。
自分の意思とは反対に悦楽に震え大きく育つ紅い蕾。
あぁ……お願いだから……もう……やめて。
お兄ちゃん以外の人にこんなこと……。
もう耐えられない。
意を決して声を上げようとした時だった。
頭上で終点を告げる車内アナウンスが流れた。
走行速度が徐々に落ちて行く。
それを合図に掴まれていた手首に自由が戻り、指も引き抜かれる。
電車が止まり、開いたドアからどっと流れ出す人の波。
終点の駅なので乗客全員が降りることになる。
その波に流され、転ばないようにするだけで精一杯。
後ろを振り返る余裕なんてもちろんない。
力の入らない両足を無理矢理前へと動かす。