テニスの王子様・裏・ブック

□比翼連理
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ふいに首筋に熱い吐息を感じた。



それが耳元に移り……。



「いやらしい子だ……こんなに濡らして」



突如囁かれる言葉に心臓が跳ね上がる。



電車の走行音で周囲の乗客は全く気付いていない。



蠢く指は蜜口を探り……
やがて奥へと差し込まれる。



「んんっ」思わず漏れてしまう声を唇を噛んで押し殺した。



「可愛いよ……感じてるんだね?」



やめて!



ふるふると頭を振って否定する。



指の出し入れをすると同時に、親指で蕾にも甘美な刺激を与えられる。



自分の意思とは反対に悦楽に震え大きく育つ紅い蕾。


あぁ……お願いだから……もう……やめて。



お兄ちゃん以外の人にこんなこと……。



もう耐えられない。



意を決して声を上げようとした時だった。



頭上で終点を告げる車内アナウンスが流れた。



走行速度が徐々に落ちて行く。



それを合図に掴まれていた手首に自由が戻り、指も引き抜かれる。



電車が止まり、開いたドアからどっと流れ出す人の波。



終点の駅なので乗客全員が降りることになる。



その波に流され、転ばないようにするだけで精一杯。


後ろを振り返る余裕なんてもちろんない。



力の入らない両足を無理矢理前へと動かす。
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