□線E
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俺達が付き合い始めてから、初めて迎える冬。

「そういえば、悟史君から聞いたんだけど、彼、ウチの学校、学業特待で受けるんだってね?勉強教えてくれって頼まれたよ」
「あんたら、何時の間に…。…そうなんだよね〜。あたしに気を遣ってるみたいで…」

それはそうだろう。
彼女は家の経済状況を誰にも話さずに、こっそりお金を作っていた。
それが周囲にばれたのが、今年の春。

…それを俺が無理矢理聞き出したのが、今年の夏。

…よく勇気を出して話してくれたと思う。
自分が好きな男(即ち、俺!)に、あんな話したくなかっただろう…。
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