おかわり
□限界の告白
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「………あち〜」
日差しが照りつける真夏。
高校2年生のゾロは、夏休みの宿題など暑さで手に付ける気も無くなっており、ここ毎日朝顔の水やり以外なにもしていなかった。
まぁ
一人の世話焼きとの会話以外だが。
「今日もくんのかな…」
「………来ねー訳ねぇな…」
と、そろそろ現れるであろう親友の事を思った。
「今日はレーメン喰いてぇな」
と、ぼんやり思った。
ミーンミン
ミーンミンミン
カンカンカンカン
軽いテンポでアパートの階段を上がる音がした。
そしてお決まりの鼻歌。
機嫌良さそうに歌われる鼻歌は、最近の曲だろうか、疎いゾロにはわからない。
そして、
コンコン!
「ゾロー、昼飯持ってきた」
と、明るい声が耳に入る。
ゾロはゆっくりと起き上がると、額に滲む汗を拭い、玄関に向かった。
「毎日飽きねーな」
ガチャンとドアを開けて、目の前の金髪の男に少し呆れて言う。
男は大きめの口の端を釣り上げて笑った。
「飽きるも飽きねーも、ゾロだって飯待ってるくせに」
そう言う男の言葉は外れでは無かった。
暑いと何をする気も起こらず、飯さえも抜き、ただ眠るのだ。
そんなゾロを心配だと言い、練習がてら飯を運んでやると言った。
5つ星シェフになりたいと言うだけあって、男の飯は美味く、最近でま待ち遠しく想う。