おかわり
□診察室
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「Gacktさん、こんなの欲しいんですか?」
衣装スタッフが手に何かが入った袋を持ってGacktに訪ねている。
「うん、そう、これが欲しかったんだよ」
と、満足げにGacktが笑う。
スタッフは首を傾げるが、深く聞くのも気が引けて止めておいた。
それは、良い選択だったのかもしれない。
数日前、
「ぇへへ〜v」
なにやら嬉しそうに携帯をみる剛。
Gacktは不思議に思いそっと後ろから携帯を覗いてみた。
するとそこには随分前雑誌の撮影で撮った白衣を来た自分。
眼鏡をして、青みがかって写っている。
「剛君、その僕好きなの?」
突然かかった声に、剛はビクッと肩をふるわせて、慌てて携帯を隠して振り返った。
「ガックンっ!///」
真っ赤っかになっている剛が、天使のように愛らしくて、Gacktはそれならばと考えた。
白衣を来た自分に抱かれたら、剛はどうなってしまうのだろうか。
と
そして今Gacktはリビングでいそいそと白衣に着替えた。
「確かあの時の髪型は…」
などと呟きながら髪にワックスを付けている。
そしてネクタイを締めて、眼鏡を掛けて…。
剛の待ち受けの自分を再現した。
よし、と白衣の襟を軽く引っ張り、剛が帰ってくるのを待った。