おかわり

□Flower
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「いらっしゃいませっ、あ、刑事さんおはよーございます!」

元気な声で挨拶し、笑顔をくれる花に囲まれた少年。

もう、ここに来るのは何回目だろうか。

「今日は、ガーベラがお勧めですよv」

いつも、一番いい花を進めてくれる。


この笑顔の綺麗な少年、名は堂本剛。

そしてこの花屋の常連になる男、名は神威楽斗。

この街に来て2年の刑事だ。



「じゃあ、ガーベラ貰おうかな」

「はいっ♪」


初めは、連続監禁犯を取り押さえる現場で負傷した友人への見舞いの為だけに、ふと寄った花屋だった。

元々花はあまり好きでは無かった自分が、なぜここまで花屋に通い詰めているのか。


初めの2、3回までは解らなかったが、今では容易く解る。

自分は、この少年が見たくて、花の様な笑顔が見たくて毎日通っているのだ。


我ながら、この熱の入れように笑いが出る。

こんなに人を思った事なんて、無かった。

手が早いはずの自分が、まだ指にすら触れていない。


「お待たせしましたっ」

可愛らしい笑顔と出来上がった花束は、とても似合っていた。

「ありがとう」

楽斗が笑うと、剛は頬を染めてくれた。

最近、剛が自分を見るとき、仄かに頬を染めてくれるようになった。



自惚れでは無いと信じたい。

楽斗は、初めての恋の様に願った。
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