おかわり
□threeONthree
1ページ/10ページ
「鏡って、不思議やねんなぁ…」
剛は今鏡にハマっていた。
色々な鏡を集めたり、鏡にまつわる本を読みあさる。
鏡の国から始まり、鏡の呪い。鏡の不思議まで。
そんな時、とある骨董品を揃える店に出会った。
変わったものや、不思議な色が大好きな剛は、迷わずそこに入った。
「いらっしゃい」
ぽつりと漏らされた店主の言葉。
剛はそれっぽい雰囲気にワクワクした。
キラリ
差し込む光に反射して、店の奥で何かが光った。
何だろうと導かれる様に奥に入ると、古いが、美しく光りを放つ鏡があった。
「…うわ…っ」
剛は見た瞬間に欲しくなってしまい、店主に話しかけた。
「おじぃさん、この鏡なんぼなん?」
剛の言葉に、ズレた眼鏡をちょいと上に上げて、どこかニヤリと笑った気がした。
「その鏡、不思議な鏡なんや」
「不思議?」
店主がゆっくり歩み、鏡の縁を撫でる
「映した人を現実化する言われてる。しかし人選びよるみたいでなぁ…詳しくはワシにもよぅ解らん」
ワクワク…今の剛の心をくすぐるには、もってこいの鏡だった。