南領地ノンアクタル
さて、南です。
東も野蛮だと申しましたが、南も野蛮です。
南はさすがにこの、アースルーリンドが大陸の南寄り
なので、色黒なお方も、いらっしゃいます。
南から流れた一族がここに、住んでいます。
が、東に住み着いた北方の一族より、数は少ないと、申せましょう･･･。
しかし、少数ながらその支配力といったら･･･。
なにせ、野蛮人ですから･･･。
東は領民全員が野蛮でそれは騒がしい連中ですが
南は支配階級が、「オレ様」で、偉そうな
野蛮人です。
この東と南が顔付き合わせると、
話し合いと言えば、拳。悪くすると、剣で
喧嘩。喧嘩が、話し合いなんですね。
勝てば、意見が通る。
分かりやすい連中ですね･･･。
支配階級、「オレ様」と言いましたが、
人間はたいそう、単純です。
だって、野蛮人なので。
わりとおおらかで、気のいい奴らは奴らです。
怒らせると、怖いけど。
しかも、気まぐれ。したい事はするが、
したくない事は･･････。
なので、燃えると戦いますが、気が乗らないと
すぐ中央の近衛に頼ります。南の護衛連隊長が
まずこんなんなので、依頼を受ける部署はとても
困りますね･･･。
実は南だけ特別に、中央や都との、連絡役が配されています。
これ、本来は、護衛連隊長の役目なんですが。
一応、中央に、それぞれの地方出身の橋渡し役と、
中央、地方の情報交換役の部署はありますが、
南出身者は橋渡し役は･･･無理なんですね･･････。
だって･･･話し合いが、『拳か剣』ですからね･･････。
「今回は、(南護衛連隊は)出動は嫌だと言っている。近衛がやれ」
で、近衛が「敵がそんな少人数では、出動は出来ない。
だいたい、都から何日かけて出向くと思っている！」
「では、どうするかは決闘で決めよう。
私が負けたら、南地方護衛連隊が出動するとしよう。
しかし君が負けたら、近衛に討伐、してもらう」
こんなんですからね･･････。
やってられないでしょうね･････････。
しかも、南の貴族は、光もの好きでいつも宝石
じゃらじゃら付けている、派手好み。
の上、一夫多妻だし、男にも手は出すしで
やりたい放題。
やっぱり、野蛮人ですね･････････。
なんで彼らは都の式典が、大っ嫌い。
北領地の都コンプレックスとは正反対の、
自分達が一番、都は二番。
なんですね〜〜〜。
超、マイペース。何処までも、自分を貫く奴らなのでした。
補足；この、南領地遠征。
ギデオンの叔父。からっきし戦の出来ないドッセルスキ右将軍の
時代。せっせとこの地にだけは、遠征に出かけました。
それは、なぜか。
宴会が、あるからです。野蛮人は飲み食いと宴会が
お好き。なんで、ご馳走と美酒での宴会が付き物。
だから、戦の出来ない右将軍は、戦いは部下に任せ
宴会三昧なんですね･･･。
でもってギデオンが右将軍就任。
彼はひたすら、さっと出向き、馬鹿騒ぎに、付き合えるかと
さっさと引き上げるんですね〜。
お酒は大好きだけど、南の大公はどスケベだし、
相手が男だろうが美人大好きなので
ギデオンが迂闊に宴会に出ると･･････。
口説かれるんですね〜。
でもってギデオンは男に口説かれると、キレる･･････。
彼が拳でモノを言うと、ヤツらも･････････。
当然、拳でお付き合い。
遠征に行って、南領地と喧嘩して帰る羽目に、
なるんですね〜。
なんで参謀のマントレンが、しつこくしつこく、
ギデオンに忠告します。
美酒に、尻尾振っちゃ、絶対駄目だよ！･････････と。
参謀も本当に、苦労がた絶えません･･････。
ギデオンはとっても品のいい、野蛮人･･･と言うか
猛獣･･･なので。