おまけ

「…私にどうしろと?」
伝令機の向こうから不機嫌な声が漏れる。
「あいつらを連れて帰れ」
日番谷は同じ不機嫌さで、六番隊隊長、朽木白哉に言った。
「知らぬ。無理を言うな。日番谷の新居が珍しかっのだろう。飽きたら出て行く」

「………」
「………」

両者無言の攻防で、先に口を開いたのは白哉だった。
「飽きるのいつだよ」
「知らぬ」

「…………」
「…………」

またしても沈黙。
この二人の会話が弾むわけはない。
「…ちっ。卯ノ花まで、何考えてやがるんだ」
今度は日番谷が折れる。
「卯ノ花…女王アリまで居たのか?我が邸には来なかったが」
白哉は同情を多分に含んだ声で続ける
「しばらくは諦めろ」
と。

乱菊との甘い生活の天国から、一気に地獄に突き落とされたような心地になりドッサリとソファーに座り込んだ。

「……どうしたのだ?日番谷?……」

ブチリ

と、通信を一方的に切り伝令機を放り投げた。

ギャアギャア賑やかな女の声が勘に触る。

「あぁーっ〜冬獅郎さぁーん。一緒に飲みましょうよ〜」
「うわっ酒臭え!お前ぇあれほど飲むなって言ったろうが!」
「だって〜」
「だってじゃねぇ」
しなだれかかる乱菊を片手で受け止めて。
日番谷はドップリと重いため息を付く。

女性死神達の夜は、長い――――――――――――――……
らしい。

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