死にたくはない
□6人乗り
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ナレーション:ある日6人乗りの僕は6人乗りの小銭を探しながら6人乗りのささくれを気にしていないようで意外と気にしていた。
「押せば押したり押す押するとき押すれども押せ。」
ナレーション:6人だけが乗り合わせたのはたぶん素敵な偶然だから僕が 脳ディスク を確認してからプラグを両耳からことごとく引き千切ってしまったことも偶然といえば偶然かもしれなかった。
(それに僕は押したくはなかった。否、むしろ押したくはなかったのだ!)
ナレーション:6人乗りのおばけをやっつけるには、押すしかなかった。少なくとも押さなければならなかった。
僕はもんどり打って悶え苦しんだ。僕は押す気などなかった。逆に僕は押す気などなかったのだから。
「押せば押したり押す押するとき押すれども押せ。」
````_(効果音)
実を言うと、
僕は押したくなかった。押したくなかったのに!
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