小説

□不 信
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こなた「助けてくれってどうゆうこと?」


京介「……あいつは…女を信じれなくなってるんだ。」

〜原因〜

柚樹は中学の頃、付き合っていた彼女がいた。当時柚樹が勇気を出して初めて自分から告白した人と見事付き合うところまで発展した。
柚樹とその女は誰もが学校でベストカップルと思うほど愛し合っていた。
しかしもうすぐ付き合って一年たつというところで二人は喧嘩をしてしまった。
その原因は聞けば些細なもので付き合ってから一度も喧嘩をしなかった二人のことだからすぐに元通りになると思った。初めての喧嘩。

その喧嘩はどちらかと言えば柚樹が悪かった。しかし彼女にも悪い点があり、お互い意地をはっていたら前にはすすめないと思い柚樹のほうから謝った。

柚樹「あの時はごめん。」

彼女「……もう別れよ。」

突然の別れだった。あれだけ愛し合っていたのにたった一回の喧嘩で別れをきりだされたのだ。


柚樹「反省してるんだ!もうあんな事はしない!別れるなんていうなよ!」


彼女「…もう私達は無理だよ。」

柚樹が何度説得しても彼女の決心は変わらなかった。
柚樹は自分の行動をずっと後悔した。
なぜ彼女を悲しませるような事をしたのかと。
なぜすぐに謝らなかったのかと。

その日の夜は涙がとまらなかった。


〜別れて次の日〜
〜教室〜

柚樹は愕然とした。

別れて次の日には元彼女には彼氏が出来ていたからだ。


柚樹「なんでもう彼氏できてんだよ。」


彼女「昨日あのあと告られたからだよ。」

柚樹「普通別れてすぐにほかの男と付き合うか?」


彼女「あんたから私に告ってきたんだし、別れるような事したんだから別にいいでしょ。しかももうあんたには関係ないの。」


ガタッ
京介がいきよいよく立ち上がり元彼女を殴ろうとした。

京介「ゆずがどれだけお前の事を想ってたと思う!!!」

元彼女に襲いかかる京介。しかし京介は止められた。


柚樹に。



柚樹「もういいよ京介。女に手をあげるなんてお前らしくない。…やめてくれ。」

京介「でもゆず!!!こいつはお前で遊んで…!!!
……。」

京介は柚樹の顔を見たらわかってしまった。
この状況で一番つらいのは柚樹なんだと。
こんな状況なのに自分は取り乱して、柚樹は自分を止めるほど感情をころしている事を。
わかってしまったから、京介は何もできなかった。

あれだけ愛し合っていたのに。あんなことで別れることになるなんて誰も想像すらできなかった。
この日、柚樹ははじめて部活を無断で休んだ。

この時柚樹は心に刻んだことがある。


「女は信じない」


これ以降柚樹は女との関係を遮断し、話をすることもなくなった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

京介「俺にはあいつを救ってやることができない。男の俺には何もできないんだ。親友なのに。
あんな女にゆずの人生が壊れていくのは俺にはたえられない!!
だからこなた。お前ならゆずを助けることができるかもしれない。」


こなた「…そうだったんだ。できるかなぁ。。そういえばゆずは私となら普通にしゃべるよね?なんでかな?」

京介「こなたはゆずの妹に似ているからだと思う。」

こなた「ゆずって妹いるんだぁ。」

ってそうなら恋愛対象外じゃんって思うこなた。それをみすかした様に安心させる事を言う京介。


京介「ゆずは人の心を見てるから妹と似てるからってショックうけるなよ。こなたはこなたなんだから。」

こなた「ん〜複雑。」


京介「もっかい聞くけどこなたはゆずのどこが好きなの?一言でいってみて!」
こなた「えぇ〜恥ずかしいよ。」

京介「3、2、1、」

京介のカウントダウンにのせられてしまった。


京介&こなた「真っ直ぐなところ!!」

二人の声がかさなった。

京介「ハハハッ!こなたは見る目があるなぁ!安心した!」


一番柚樹を見てきた大親友の京介と意見が重なるということの凄さ。京介も柚樹の真っ直ぐなところが一番好きなのだ。

変な意味ではなくて。

つまり柚樹の一番良いところは真っ直ぐな性格。それをこの短期間で理解し、見つめてたこなたは真剣に柚樹を見てきたことを意味した。

こなたなら「女は信じない」という心の闇を晴らせると京介は判断した。この判断が柚樹とこなたを結びつけるかはまだ誰にもわからない。
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