小説

□安 易
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春期大会はあと二回勝てばインターハイのシード権がえられる。



大会は終盤にきていた。


〜○回戦〜

相手はそれなりに強いところだったが陵桜が勝つのがあたりまえだった。


試合開始直後に一点を決めチームはノッた。


終わってみれば

3-0

相手は陵桜の爆発的な攻撃を3点で押さえた。

得点者:京介、メグ、オウンゴール

アシスト:太陽2




本日の2試合目、シードを獲れるか獲れないか決まる重要な試合は午後からはじまる。


それまで各自休憩がとられた



〜昼食〜




柚樹「あ〜今日はまだ何もできてねぇや」


こなた「アシストはできてないけどシュート惜しかったじゃん!」




柚樹とこなたは自動販売機の所に二人で飲み物を買いにきてた。



柚樹「でも京介のシュートはやばかったな!」


京介のシュートはゴールから30mほど離れたところから放たれたシュートだった。


強烈なうえコントロールされたシュートは高校生離れしていた。


こなた「あれはサッカーあまり知らない私でも興奮したね!」


柚樹「興奮したのは京介が好きだからだろぉ」


柚樹はニヤニヤしてた


こなた「だからちがうってばぁ!私が好きなのは―――」



京介「おーい、ゆず!こっち来てみろよ!要がスッゲェ一発芸やるってよ!」



こなたが言い切る前に京介の声がひびいた



邪魔された。



妹と似てるとはいえ、女を信用できなくなってるのに自分だけにはちゃんと目を見てしゃべってくれる。


自分だけは柚樹にとって特別な存在なんだと思いたかった。


自分は柚樹にとって妹に似ている特別ではなく、彼女として特別な存在になりたかった。



そう見てほしかった。けど邪魔された。



一同「ハハハハハッ!!!!」


要「続きましてぇ〜…………」







〜本日最後の試合〜


財前「さて今日最後の試合だ。シードを決める重要な試合なんだがお前ら……

負けてこい。」


一同「!!!?」


財前からの驚きの指示がでた。



それはあまりに不可解な指示で選手達は黙っていられなかった。



ダイゴ「なぜわざわざ負けなければいけないんですか?!」


財前「…お前達は今試合を通して成長している。
春期大会で活躍するよりもインターハイで活躍するほうが自信つくだろ。
その自信が力になる。

だからシードなんかでインターハイの試合を減らすより今負けてリスクの高い試合増やした方がいいんだ。

だがただで負けるな。今までやりたくても公式戦だからって出来ないプレーがあったはずだ。それをここで試すんだ。」



選手たちは納得した。



この春期大会は別に負けてもシードがとれないだけの低リスクだ。



だがインターハイは違う。負ければそこで終わり。



この高いリスクがありながらも自分の仕事ができたなら、獲れる自信も春期大会とは比べるまでもない。




試合は

0-1


試合中何度か点数を決めそうになった。



要の、というかキーパーからしてみれば3点も4点も決められばプライドが許さないだろう。



だからわざとシュートを外すのもつらかった。



その日の帰り



陵桜の選手たちは陵桜のグランドにもどって自主練習をして帰った。


こなたは今日安易にも告白しようとしたことを反省した。



今サッカーに集中してるのに気を動転させることを言うもんじゃない。


言うならせめてインターハイが終わってからじゃないと柚樹にとって余裕がないと思った。



ましてや女を信じていないのだから。


今は「妹みたい」という特別な存在だけど、告白すれば一人の女としと見られる。



そのことが少し怖い。



けど「妹」ではなく「女」として、できれば「彼女」として見てほしいと思うこなたであった。


インターハイが始まる前にメンバー25名にユニホームが配られた。



今構成できる最高の25人を選出し、背番号は自分のほしい番号を事前にきいて、希望番号がかさなれば財前が独断と偏見できめた。


結果

柚樹:11
京介:23
ダイゴ:8
太陽:10
メグ:9
要:25

主力の意見が優先というかたちになった。要は1年だからしょうがなかった。
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