小説
□捕 獲
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大会前日〜
まず予選を行い、選びぬかれた16校のなから唯一一校が全国大会に出場できるこの選手権大会。
埼玉優勝候補は4校
まずはちゃくちゃくと力をつけてきた陵桜学園高校
最強の攻撃力を誇る城西高校
そして今年にはいってまだ対戦したことのないインターハイ準優勝校の刀鉄商業高校、(とうてつ)略して刀商。
さらに優勝最有力候補にしてインターハイ全国ベスト4だった陵嵐学園高校
これらをすべて倒さなければ目標である全国出場は達成できないのだ
柚樹たちサッカー部は大会にあわせた軽い練習を終えると財前から荷物をもたされた。
それはボールだ
三年間世話になったボールをピカピカに磨いてこいとのことだ
1年生ではなく三年生がやるべきことなので三年生全員が持ち帰ることに
しかし帰るにあたってボールは非常に邪魔だった。
そんな帰り道、柚樹の家に遊びに行くことになり柚樹、こなた、そして京介の3人で道をあるいていると後ろから走ってくる男を発見した。
おばさん「ひったくりよ!捕まえて」
その声と同時に男は三人を横切った。
柚樹「先にボールあてたほうが!」
京介「飲み物ゲット!」
勝手に勝負しはじめた二人をこなたは楽しそうに見てた
鞄に入りきらず手にもっていたボールを最初に蹴ったのは柚樹だった
柚樹「見よ!このセンタリング精度!」
柚樹の蹴ったボールは速くするどく曲がり、そしてひったくりにかすりもしなかった
柚樹「うぱぁぁあああ!」
聞いたこともない柚樹の謎の悲鳴にこなたは一人突っ込んでいた
京介はニヤリとした
京介「見てな!このシュート精度!」
京介の足から放たれたボールは無回転かつするどく落ちた。落ちたが故にまったくひったくりにかすりもしなかった。
京介「ぬあぁぁああ!」
二人の精度はまったくをもってダメだった。
やはり靴が原因だとした
この勝負は引き分け
こなた「何してんの!早く追い掛けなよ!」
二人のコントみたいなやりとりに一瞬我をわすれたこなたが正気にもどった
二人は目を合わせ「延長戦だ」と言わんばかりだった
しかしこの勝負の決着をつけたのは意外な人物だった
ひったくりはその間にも逃走をはかる
柚樹たちをまこうと曲がり角を曲がった
柚樹たちも見失わないようにスピードをあげた
がひったくりは何かに飛ばされたかのように柚樹たちの目の前を通り、壁に背中から激突した