小説

□伝 染
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試合開始直後に1年生FW瀬戸の強烈なミドルシュートが陵桜のゴールに襲いかかるが要がなんとかセーブした


昔の瀬戸とはまったく違う鋭いシュートに要はより気を引き締めた


ダイゴは直ぐ様このシュートを打たれたミスを修正した

陵嵐は攻めた。それでも陵桜のゴールを破ることはかなわず逆に陵桜がチャンスをむかえた


プロのスカウトを受けていない奴も陵嵐は十分にうまかった
しかし柚樹はそれをかわしセンタリング

メグには近藤がついていた

京介が欠場したので三年生FWの緒方がスタメンででていた

センタリングの先には相手DFに競りかった緒方がいた

先制点かと思われたこれらのプレーは陵嵐キーパーの豪に簡単にキャッチされてしまった


実際は難しいプレーなのだが簡単そうにキャッチすることでチームに安定感をあたえた



京介がいない分、陵嵐がおしていた


負けられない



財前のために


京介のために


自分たちの夢のために



そんな思いが集中力を高めた


それでも陵嵐はダイゴのまとめるDF陣を崩していった


陵桜のすべての選手が体をはって守ったがゴールネットはゆれた


瀬戸のシュートが突き刺さった


0-1



ハーフタイム〜



ダイゴは頭を悩ませた


こんな時、先生ならどうする


財前がいないという重さを再び痛感した


ダイゴが喋る前に柚樹が口をひらいた


柚樹「点はとられたがこっちもまったくチャンスがないわけじゃない」



ダイゴ「そうだな!まだ時間はある!かならず勝つぞ!」



一同「おう!」


このあと失点の原因を把握し解決させた



ダイゴ「暴れるぞ!!英雄はだれだ!」


一同「俺だ!!」



選手がグランドにでてくると空は黒い雲におおわれていた

使い古されたスパイクはこの芝を踏み込むことはできるか

滑らないか

柚樹は不安だった




後半開始



開始10分でついに雨がふってきてしまった


かがみやつかさは傘をさしたがこなたはささなかった


かがみ「それ傘じゃないの?」


こなた「うん」


こなたのももにのっかってる黒い袋
それが何かを聞かずに傘にいれてあげるのはかがみの優しさだったのかもしれない


太陽のパスを柚樹は滑ってしまい受けとることはできなかった

太陽「何やってんだゆず」


柚樹「わるい」



柚樹の家は貧乏だからシューズを買えない


それを知ってる太陽だからあまり強くいえなかった



次に太陽のパスを受けとることができずに大きく外にでてしまった


柚樹「(すべる…)」


芝をかむためのポイントがない柚樹のシューズは雨でよりすべりやすくなっていた


こなたはかがみの傘を飛び出して最前列まで走った


こなた「ゆず!!」


こなたの呼び声に気付いた柚樹が振り向いた


柚樹「…こなた」


こなた「受けとって!!」


こなたが手にもつ黒い袋を柚樹に向かって投げた


柚樹が袋の中身を確認すると中には白いシューズがはいっていた


柚樹「…これは」


こなた「ゆずが今ほしいものだよ!」


それはいつか一緒にいったサッカーショップで柚樹が買うのを諦めたスパイクだった

柚樹のスパイクがどんなにボロボロだったかはしっていた

最後の大会
たくさんの想いがつまったこの大会を満足にプレーさせたいと思ったこなたは自腹でスパイクを買った



柚樹はすぐにそのスパイクをはいた


柚樹「さすがだこなた。…ドンピシャだ!」


こなた「当然だよ!ゆずのことは何でもわかるよ!」

知っていて当然

だって前自分でドンピシャっていってたスパイクをそのままかったんだから
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