小説

□不 信
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こなた「でもゆずの妹って私に似てるのかぁ。見てみたいな。」


京介「あ、ゆずの妹は――


ガチャッ
部室に柚樹がはいってきた。


柚樹「こなたまだいたんだ。何はなしてんの?」


こなた「うん。ゆずの妹と私が似てるって話。」


柚樹「めっちゃ似てるよ。つうか京介早く帰んなくていいの?」

京介「あっ!ヤベ!」


何か用事がある京介だったが忘れていた。

柚樹「京介まって!一緒に帰るぞ!」


二人はこなたのいる前で着替えはじめた。


こなた「ちょ、ちょっと二人とも!」


こなたは目を手で覆う。が、隙間からバッチリみてた。

上に着てたゲームシャツをぬぎ

こなた、心の一言。


「男ってすごい!」


二人は腕や胸の筋肉がすごく太くて腹筋なんて普通に割れていた。まぁ柚樹のしかみてないけどね。


二人は着替えを続けソックスをぬいで、タオルで体をふいた。その後ゲームパンツをぬいだ。
つまりパンツ一丁だ。
下半身もすごい筋肉


こなた「二人とも私いるの忘れてない?」

こなたは顔が真っ赤にして質問した。


京介「何顔赤くしてんだ?男の体みるの初めてなのか?」

こなた「ナマは初めてかな」

柚樹「京介はやく着替えろ!」


柚樹に喝をいれられパンツまで着替えはじめた。


こなた「わ、わぁ!!!」

さすがには目を閉じ手で目を覆う。でもちょっとおしりが見えた。

…………

柚樹「もういいよ。」


こなたが目をあけると二人は学生服に着替え終わっていた。

こなた「なんで女がいる前で着替えるかなぁ。」

迷惑そうにいうが実際は興奮していたこなたであった。

柚樹「こなたも早く着替えろよ。」

そういって二人は部室をでていった。
こなたはすぐにジャージから制服に着替えた。けど二人はすでに少し先を歩いていた。

こなた「まってぇ!」

駆け足で二人のところに行く。
二人はサッカーのことばかり話をするのでほとんどこなたは話に参加できなかった。

そして京介が別れこなたと柚樹は二人っきりに。まあ会話は弾み柚樹の妹の話になった。


こなた「妹さんって今何歳なの?」

柚樹「ん?本来なら16かな。」

こなた「本来ならってどうゆう意味?」

柚樹「死んだんだ。火事でね。」

こなた「…ごめん。」

柚樹「いいよ!こなたは母親いないんだろ?」

こなた「うん。私が幼いときに。」

柚樹「じゃあ父親と二人か。俺とは逆だな。」


こなた「お父さんは?」


柚樹「火事で死んださ。あいつが引起した火事でね。」

そういって柚樹はその日の事をおもむろにはなした。

〜柚樹の話〜

四人家族である幸村家。その家計を支えているのは一家の大黒柱の父親ではなく母親である洋子であった。
母親が働いている間に柚樹と佑香は父親である勇治に暴力を受け続けてきた。


勇治「テメェはやく酒買ってこいっつってんだろ。」

柚樹「体壊すぞ親父。」

ドカッ
勇治が柚樹の顔や腹を殴った。

勇治「じゃあ佑香、お前が買ってこい。」


佑香「えっ?」

柚樹「佑香、行くな。」

勇治「このクソガキ!!」

再び柚樹を殴りはじめる勇治。
殴り終わったら勇治は家を出てどこかにいった。

佑香「兄ちゃん!」

柚樹「大丈夫か佑香。」


そんな日がほとんどだった。夜になれば洋子が殴られ止めようとした柚樹が殴られた。佑香も容赦なく殴った。

そんなある日、柚樹はある行動にでる。

「このままだとあの男にみんな殺される」
手にナイフをもち勇治を殺そうとした。

しかし京介に止められた。京介だけは柚樹の増えていく傷と歪んでいく心をよみきっていた。いやわかったのだ。

京介「やめろゆず!」

柚樹「…だって…京介!」
柚樹はその場で崩れ落ちた。

その後勇治の暴力はへらなかった。
そんなある日
皆が寝静まった夜。三人は自分の部屋のベットで寝ていて勇治が居間のソファーで酒に酔って寝ていた。

その時のタバコの不始末が火事にまで発展した。

燃え盛る炎がたちまち家をつつむ。その中で奇跡的に柚樹と洋子だけが自力で助かった。

誰かがよんでくれた消防車がきた。消防士が懸命に消火活動にはげむ。

柚樹「お願いします!!中に佑香が!!!妹がいるんです!!」

消防士「わかった!君の妹はかならず助けるから!ほかに誰か中にいるかい?」

柚樹「あんなやつはどうでもいい!!だから佑香を!!!」

結局佑香は助からなかった。
消防士の迅速な消火活動によって火は隣の家に燃えうつらず柚樹の家の全焼だけですんだ。
中から二人の焼死体がでてきた。佑香と勇治だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こなた「壮絶だね。」



柚樹「まぁね。今の俺があるのは京介たちのおかげさね。スパイクも全部燃えちゃったから。あいつらが金だしあってくれてサッカー続けさせてくれたんだ。
んなことよりこなた!お前…京介のこと好きだろ!」


こなた「エ゙エ゙ェ!!!!」
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