小説

□入 部
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オフェンス陣、いや…チームが3差という点差から安易にも勝利を確信したことにより度重なるミスから3失点。試合はふりだしへと戻った。選手達の脳裏によぎるのは負けたら走り。
しかし気の抜けた者たちに集中力は試合中に戻ることはなかった。

〜残り2分〜

バックパスを空振りしたキーパーのミスで相手のコーナーキック。


前線にはメグ一人がカウンターをねらっていた。ほか全員はもどって守備に専念。

メグ「まさか逆転なんてねぇだろうなぁ。」


コーナーキック-

絶妙なボールがゴール前にほおりこまれる。相手の長身FWの頭にドンピシャだった。しかもフリーで。


メグ「おい!!!」


しかしキーパーの好判断でなんとかパンチングで逃げた。こぼれ玉を拾ったのは陵桜の選手。


メグ「前に蹴れ!」

絶好のカウンターのチャンスだがメグには三人のマークがついていた。だから前にはボールを蹴らずドリブルを開始した。


この判断があだとなった。後ろから懸命に追ってくる選手に気付かずボールは奪われてしまう。

再びボールはゴール前に放り込まれ混線となった。



あっけなかった。


味方のクリアーしようと蹴ったボールが味方にあたりゴールへと吸い込まれた。

3-4


メグ「はあぁぁぁぁ!?」

〜試合終了〜


財前「さて、走ろうか。」

メグ「納得いきません!!!」


財前「?」


メグ「何で全員で走りなんですか?少なくとも自分は活躍しましたよ!
二得点、一アシスト!
なんで自分まで走らないといけないんですか!?」


財前「…二得点か一アシストか知らんが…
チームを勝たせることはできなかったワケだろ。」


メグ「くっ…チームの負けは自分が原因じゃない。こいつが原因だ!」

メグの指指す先にはカウンターの時にドリブルしてとられた選手がいた。

選手「なっ?それを言うならこいつだろ!あんなところで空振りしてコーナー与えなきゃこんなことにはなってなかった!」

キーパー「ああ!?コーナーはちゃんと防いだだろうが!だいたいなんでオウンゴールなのよ!ボールひとつまともに蹴れないのか?」


選手「なんだと」


ドカッ!

一発の蹴りで乱闘が始まってしまう。


「お前のミスだ」責任のなすりつけあいが始まった。

柚樹「やめろー!みんなやめろ!!!」


財前「クククッ」


柚樹「!!…財前先生!あなたのせいでチームは滅茶苦茶だっ!!」


選手同士が殴りあっていても財前はまったく止めようとしない。それどころか笑っていた。

財前「そんなことないさ。今日の敗北も今までの敗北も必要な敗戦。この喧嘩も必要な喧嘩…さ。
このチームが強くなるためにはね。」

柚樹「!?」

財前「もっとあばれろ。もっと殴り合え。へとへとになるまで殴り合ってクソの役にも立たん偽りのチームワークなど捨ててしまうことだ。」
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