小説

□島 音
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こなた「これゆずが吹いてるの?」


京介「あぁ。あれはあいつの故郷の島の曲なんだって。
ゆずは島から引っ越して埼玉にきたんだ。
んで俺達は試合に負けた日はだいたいここにきて反省会するんだ。ここなら誰にも邪魔されないしな。
あれは俺しか聞いたこと無いんだぞ。
したらじゃあな。」


京介が帰っていった。

結局何だかわからないままこなたは一人で柚樹の出す笛の音をききいってた。


しばらくすると笛の音がやんだ。
終了?


あきらかに途中だった


柚樹「隠れるなよ!こっちきな。」



こなたがいることはばれてた。


こなた「アハハッ。ばれちゃった?」


柚樹「下で物音したし頭見えてたからな。ほら、続きやるぞ。」


こなたを横に座らせ続きを吹きはじめた。


きっと京介がこういうふうに仕向けたんだとおもう


ゆっくり、時間が流れた気がした。


夏なのに過ごしやすい気温。


生い茂った緑の葉と太陽の光がつくりだす木陰が二人を包んだ。


風は止み、木々たちが柚樹のだす笛の音を聞きたがっているかのように静かになった。


目をつぶり故郷を思い出すような表情をみせる柚樹の横顔を見てドキッとした。



数分後

柚樹は吹きおわって一息ついたとき、こなたは口をひらいた。



こなた「あのねゆず。…私は―――



ヴーヴー


こなたがいいきる前に柚樹の携帯が勢いよく震えた。



柚樹「わりぃ。…ダイゴからだ。明日練習休みだって。」

またしても邪魔された。


ちょっとしたらこなたにもその連絡はきた。


柚樹「んでなに?」


こなた「いやぁなんで笛を吹くのかなぁって。」


もう告白なんて雰囲気じゃなかった。


柚樹「俺の故郷の島の曲でさぁ。心が落ち着くんだよ。なんとなくだけど。」



そのあとこの曲のいきさつについて語りはじめた


ユズってけっこうお喋りなんだと思ったこなた。



あまり秘密とかないんだと思う。
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