小説

□臆 病
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次の日



京介「まだ告白してないのぉ!?」


教室にまったくひびかない声で京介は驚いた。


こなた「…うん。」


こなたは申し訳なさそうにこたえた


京介「あれは?祭りの時は?」


京介たちがつくったチャンスをこなたは生かしきれず何もしないまま終わったのだ。

京介「あれ絶好のチャンスだったしょぉ。」



こなた「いやぁいざってなったらなかなか言えなくてさぁ。」


あたまをかきながら反省した

軽くあきれてる京介。


〜部活〜

財前「紅白戦やるから各自ボードみといて。」


みんなボードを確認してこなたがボーっとしてたら京介が話かけてきた。


京介「今日なんとか告白のチャンスつくってやるからちゃんと気持ちつたえろよ。」


それだけ言ってみんなが待つところにいってしまった。


こなた「?」




〜試合開始〜


柚樹と京介がちがうチームだった。


京介の言ってたことが今わかった。


つまり京介率いるチームが柚樹のチームを負かすということ。
柚樹は負ければかならずあの公園に行くのでそこで…
ということ。


こなた「(にしても勝つって前提のところがすごい自信…)」


メンバー的には均等だがわずかに京介チームが有利。
要 ダイゴ 太陽 がいるのだから。

ただ相手には柚樹とメグがいる。それだけでも十分驚異となる。



本当に勝てるのだろうか


先制は案の定柚樹のチーム。
柚樹のセンタリングにメグの打点の高いヘディングで先制。


0-1


こなた「(ゆずうまいなぁ)」


だけどやっぱり京介がおしている。


太陽のスルーパスに反応して京介のシュートがネットをゆらす。

そのあとすぐに太陽がドリブルで切り込んでミドルシュートを放ち


2-1


そしてとどめの京介のシュートが入り試合終了。


3-1



京介「あの笛ふくまでに言うなよ。負けた後は機嫌わるいからあいつ。んじゃ頑張れ!!」



こなた「……うん。」


本当にやってのけてしまうところがすごい。


〜電車〜


こなた「(うわぁ〜かなり不機嫌じゃん)」


明らかに不機嫌な柚樹。
全身から「負けた」という文字がオーラとなってでてきそうなくらい不機嫌だった

ばれないように公園までついていく。
あたりは暗くなっていた。インターハイの時はすぐに公園にいったけど今回は自主練習をしてからここにきたからもう夜だった。。


曲がり角をまがったらぶつかった

柚樹が立っていた。


柚樹「なんだこなたか。誰かとおもった。」


こなた「!!な、何でこんなとこにたってるのさ!?」


ビックリした


柚樹「誰かついてくるからさぁ。
こなたは何しにきたの?」


こなた「私はぁ……ゆずが笛ふくかなぁって。」



柚樹「俺の笛にはまってんのかぁ?」


不機嫌そうだったのに全然普通だったから。

ただ柚樹が女のこなたにに気を付かってただけだったのはこなたは気付いていない。
本当は負けて苛立っていた。


いつもの場所に座って柚樹が笛をふく。





やっぱりこの音色

好き



吹き終わって一息。


柚樹「今日は一点しか取らせることできなかったなぁ。」


こなた「あれはディフェンスが悪いよ。簡単に失点するんだもん。」


柚樹「やっぱあっちに京介いたからなぁ。こなたの好きな」


こなたは京介が好き
そう柚樹は思っている。





こなた「…違うよ。私は…



……





ゆずのことが…





好き


京介じゃない


私がいちばん好きなのは…ゆずだよ。」


柚樹はポカ〜んとしてた。声もだせずただ驚いた様子。


こなたは柚樹の返事もまたずその場をたち去ってしまう。



生まれて初めての告白。


柚樹の中で「妹みたい」から「女」になった。


ブォォォォ!!
吹き抜ける風の音。風は冷たく悲しい風。



トクンッ
胸が振るえた。

柚樹「……。」


柚樹の視界に女がはいった。

ドクンッ
胸の高鳴りが痛みえと変わりはじめた。

柚樹「!!……なんで。」


たまに見る悪夢。いつも出てくるのは昔の彼女だったのだがこの日はちがった。

こなただった。


こなたはじょじょに柚樹に近付いてくる。

ドクンッ!
ドクンッ!!
胸がどんどん痛くなる。


柚樹「覚めろよ!!俺の夢なんだろ!早く目をさませ!柚樹!」

ドクンッ!
ドクン!!


どんなに自分にいっても悪夢から逃げ出すことはできず胸は痛さを増すばかり


手足が氷つき、その氷はどんどん浸食していきやがて柚樹の全身を氷つけた。


柚樹「うわぁぁぁ!!!」

ガシャーン!!
氷が崩れおち柚樹の体はバラバラになった。



ガバァ

柚樹が夢から覚めた。

情緒不安定になっていた。息切れや頭痛がたえなかった。


柚樹「…もうあんな思いはしたくないんだよ。」


情けない声とともに頭を抱えて苦しむ柚樹。こなたから告白されたことで妹から女になった。
そのことでトラウマがさらに強くなっていた。


〜学校〜


こなた「あ、ゆず。…おはよ。」


柚樹「……おはよ。」



いたって普通にあいさつしたが柚樹は違った。

こなたを見た瞬間あの目になった。
祭の時にかがみを見た目と同じ目。


そのことが悲しかった。
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