小説
□臆 病
3ページ/3ページ
その後の柚樹の態度は一変した。
学校で話すことはなくなり部活でもまったく目を会わすこともなくなった。
京介に告白したことを伝えるとよく頑張ったなと褒めてくれた。でも柚樹の自分に対する態度があきらかに変わったことも伝える。
京介「少し時間かかりそうだから気長にまってやってくれ」
二人がそんな関係のまま時間がたっていった。
〜練習試合〜
相手は埼玉大学。
今日も話なんてしなかった。関係はギクシャクしたまま。
告白なんてしなければよかったなんてことも思いはじめた。
でも
それでもこなたは好きだった。
スタメンの11人はアップを終了させてユニホームをとりにきた。
そこでこなたは柚樹のユニホーム、39を手渡ししようと柚樹に近づいた
こなた「ゆず。はい。これ。」
柚樹はこなたから荒々しくユニホームをとりある一言をいった。
柚樹「触るな。」
またあの時の目。
しかも「触るな」って。
聞きまちがいじゃない
確かにそう言った。
そういってユニホームを着込み整列した。
こなたはその場で泣いてしまった。
こなた「(何でこんなに好きになっちゃったのかな)」
試合直前
京介「……なぁゆず。
試合前にいうことじゃないけど
傷付かない恋愛なんてないんだぞ。」
円陣をすませ自分のポジションに散った時にいったこの言葉も柚樹はほとんどききながしていた。
試合は五分五分。以前はボロボロにされていたのに今回は互角にやりあっている。
そんな中後半開始15分柚樹のスルーパスに太陽がうまく裏に抜け出し先制する。
1-0
アシスト柚樹と書いたがぐちゃぐちゃになってしまった。
今にもまた泣き出しそうだが堪えるこなた。
残り5分
相手のコーナーキック
柚樹はヘディングが下手すぎるので戦力にならずこぼれだま要員になっていた。
ゴール前に上がるボールをダイゴがはねかえした。
が、ついてないことにボールは相手のところに。
それをダイレクトでシュートにもっていこうとするが柚樹がそれを防ぎにいった。
この時ボールは腰くらいの高さにあったため柚樹は頭でボールをクリアしにいこうとした。下手に足でいったらファウルをとられるためだ。
しかしこのことが災いした。
頭でいけば相手もシュートを躊躇するだろうとふんでいたが先に柚樹がボールに触るも相手はその足を止めることなくふり抜いてきた。
当然相手が蹴ったのはボールではなく柚樹の頭。
その場に倒れこむ柚樹。
こなた「ゆず!!」
思わず声をだして立ち上がってしまった。
審判「君大丈夫かい?」
審判の声なんて聞こえてなかった。