小説

□捕 獲
2ページ/2ページ



何だと思い近付こうとしたら総護が現れた。


総護はひったくりの胸ぐらを掴むとブルンブルン左右に揺さぶった


総護「てめー!誰にぶつかったのかわかってんのか!」


総護にぶつかったのか?
運の悪い奴だ
でもこんなことでキレるキャラだっけ?


そう思った

一足遅れてこなたが現場に到着


三人が曲がり角の先をみたら膝を怪我したつかさがいた

つかさ「あっ!こなちゃん!」


こなた「つかさ大丈夫?どうしたの?」


つかさ「うん。なんかいきなりあの人がぶつかってきて。こなちゃんたちはどうしたの?こんなところで」


こなた「みんなであのひったくりを追い掛けてたんだよ〜」


つかさにぶつかって総護が爆発したわけか

総護らしいななどと思っていた



柚樹「総護!」


ひったくりはすでに気絶していて意識がなかった。

もういいだろうと柚樹が呼び止めた
総護が手をはなすとそのままぐしゃりと倒れた


総護は柚樹たちに気付いた

総護「ゆず!にこなたに…たしか久保京介だっけ?」


京介「うん」


京介が総護と話すのは初めて

総護は簡単にあいさつをすますとすぐにつかさにかけよった


総護「つかさ大丈夫か?」


つかさ「うん!そー君すごいね!ひったくり捕まえちゃった!」


総護「うぇっ?あっ!あーそうだな!」


ぶつかったやつがひったくりだなんて今知った


柚樹「知らなかったくせに…。ただつかささんにぶつかった奴をボコって――




柚樹が言いきる前に総護は柚樹にアイアンクローをした

柚樹が頑張って総護の手をはずそうとしてもびくともしなかった


総護の顔は右半分が「黙れ」といった表情

だが左半分は笑顔という器用な表情をしていた


京介「あいついろんな意味ですげぇな」


こなた「そしてつかさは笑顔しか見えてないね。さすが天然」




そして大会予選がはじまる


ほとんどが新チームとなったやつらを相手にしたため難無く予選を突破した


その中でも圧巻だったのが清秀戦


太陽が足首をひねりそのあいたポジションに柚樹がはいった特殊な布陣で挑んだ試合だ

過去と比較しても陵桜がとった点の中でも最速であろう得点は前半開始直後であった


キックオフのボールを蹴るメグ、受け取ったのは太陽のかわりにそのポジションにはいった柚樹だった。

普通ならすぐに後ろにもどすのだがこの日はちがった

キックオフの笛がなる前に京介が主審の背後で相手陣地に入り込み、笛が鳴ると同時に走り出したのを柚樹は見逃さなかった


数秒ボールをキープしてすぐに前に蹴りこんだ


その先には京介がいた
ファーストタッチで相手をかわすとすぐさまシュート。

そのボールに相手の誰一人さわることなくネットをゆらした


清秀側は抗議したが見えてないものに警告はできずやり直しがきかなかった

ルールに反しているが審判が裁くことができなければルールに反していない

まさに勝った者勝ち

点をとった者勝ちだ


財前「時間とめた?」


財前は試合の時にいつも時間をはからせてある。
時間帯によってするべき戦術があるからだ


こなた「はい。」


財前「今の得点にかかった時間は?」


こなた「9秒58です」


この10秒ゴールは陵桜の中で伝説になった


相手は陵桜相手になすすべはなかった
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ