小説

□継 承
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決勝当日


今まで財前がやっていた相手チームの分析をダイゴは一人でやって皆に伝えた


ダイゴ「相手は陵嵐だ。インターハイで俺たちを負かした城西にかってきている」

陵嵐は最強の攻撃力をもつ城西を0に抑えて勝った
しかしそのことはあえて言わなかった

こっちは点取り屋の京介を失い得点力ダウンは否定できない

追い討ちをわざわざかける必要はない



ダイゴ「あっちの主力は3人。その内の二人がプロのスカウトされている。
まずキーパーの小林 豪」

小林 豪 コバヤシ ゴウ


陵嵐の3年生キーパー
伸長 守備範囲 反応速度は目を張るものがある


ダイゴ「次に近藤 雅也」


近藤 雅也 コンドウ マサヤ

ヘディングが得意な選手
攻守の切り替えと統率力にすぐれている三年生DF


ダイゴ「そして一年生FW瀬戸 勇介」


瀬戸 勇介 セト ユウスケ


その決定力が認められ名門陵嵐て唯一一年生から出てるスーパープレーヤー

ダイゴ「こいつのことはしってるな要」

要「はい」


要と瀬戸は元同じチーム

その当時の実力は柚樹はまったく気が付かないほどだった

要自身も秀でるモノは無かったと語った

中学では花が咲かなかった奴も高校に入り化ける奴は少なくない

瀬戸もその一人だ



ダイゴ「俺が伝えられるのはここまでだ。あと先生から手紙がきている。背番号順にとりにきてくれ」


ダイゴはこのミーティングの場である控室まで入れないこなたに代わって全員に手紙をわたした


柚樹は手紙を読み始めた



〜手紙〜


その前半はほかの部員と同じ言葉だった
後半はその個人に伝えたい言葉が書かれていた

幸村 柚樹へ〜


ありがとう。

俺の言うチームワークが陵桜で成り立ったのもお前のおかげといっても過言じゃない。

お前のプレーを最初見たときは衝撃を受けた。

満たされる事のない勝利への欲望、そのプレースタイルは俺の昔の親友でもある奴にそっくりだった

だから俺の友が好んでつけた21という番号をお前に託した

これも俺のわがままだ


無理矢理付き合わせてすまない。


俺とその友は陵桜でいう幸村と京介みたいな関係だった

今は亡きその友と俺の願いは1つ。

優勝だ。


昔は全国を経験できずに高校サッカーを終えた

陵桜はそんな俺たちにそっくりだったから夢を預けた

最後に

点をとらせるだけじゃない


幸村。


点をとれ。

〜 〜 〜


柚樹は胸の背番号に手を当てていた


そんな想いがつまっている「21」を誇らしげに見ると気合いがみなぎってきた
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