小説

□伝 染
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試合が再開



残り15分


無情にも二点目を決められた


0-2



陵桜ベンチ、スタンド、ピッチの空気が変わったのを感じた


残り15分でこれだけの奴らを相手にする
最低でも二点を取らないと負ける




ピッチでは全員が意気消沈しているなか叫んだ


柚樹「まだだ!まだ終われない!!」


絶対にあきらめない!


京介のために!


先生のために!!


こなたのために!!


この試合は負けちゃいけないんだ


今までLMFだった柚樹が緒方にかわりFWになった

今まで一番京介を見ていた柚樹がやるFWは何かを期待させた

根拠はない

けど期待せざるを獲なかった

そんなオーラを柚樹はまとっていた


急いでボールを中央にもってきた


瀬戸「あがくなよな。もう俺たちの勝ちだ」


近藤「油断を招くような言葉を口にするのはやめろ。最後までわからない」


瀬戸「はいはい」



この試合を病院で京介は見ていた


テレビを前に応援していたのである


ほかにも数人みていた


京介「………」


点差は二点


残り15分


圧倒的不利に見ている人達はため息をついてしまった


急いでボールセットする陵桜の選手たちをみて笑った若者がいた


若者「もう負けんのに頑張んなよな」


その発言に京介は思わず机を叩き周囲を黙らせた


京介「何がおかしい」


若者「い、いや…」


京介「よく見てろ。お前が笑った奴らがどんなことをしでかすかをな」



その時財前の妻がお見舞いに来てくれたのか。京介に話しかけてきた


妻「京介君。これ、夫からです」



渡されたのは手紙だった

あけてみると自分に向けてメッセージがかかれていた

手紙〜


久保 京介へ〜


俺はお前だけ下の名前で呼んでいたな

それはお前が昔の俺にそっりだったからだ

特別扱いしてすまなかったな


お前は強い


そんなお前のプレーをもう見れないのは残念だ


辛かったよ


お前が倒れていくのを見るは俺には耐えられなかった

今、怪我をしてフィールドに立ってはいないだろうがこれからもサッカーを続けてくれないだろうか

好きでやったサッカーを大好きだといって終えてほしい

散々お前に酷いこと言ってきた俺が言えることではないがお前がよければ続けてほしい


〜〜


京介「あんたがいうならいつだって続けてやるよ」


泣きそうだった
けど人前ではみっともないから我慢した


京介「だからしっかりみててください。」

願いにも似た事をつぶやいた




再びキックオフ


ききせまる柚樹の勝ちたいという執念。

相手は圧されてしまった


流れの中で3分後


陵桜はコーナーキックを獲得
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