スプラッシュ・ガーリー
□5.ぶつかったら落っこちた
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昨日があまりにも厄日だったからか、今日という日は実に平和だ。
授業で当てられることもなく、玲ちゃんといてファンの女の子たちからの視線にさらされることもなかった。
捻挫のおかげで創作ダンスの体育も見学できたし。松葉杖つかなきゃならないこと以外は万事快調です。
「うわ!そんなに重傷だったんスか!?」
あ、でも松葉杖って持ってるとなんか強そうだし、自転車(意外とこげた)にさすとエンジン搭載してるみたいで近所の少年にカッケェェェ!ってほめられたから悪いことばっかではないな。
「なーんで無視するんスか!」
「ギャ!!」
ま、まぶしい!!!あ!?キセクン!?
え、てか、わ、わたしに話しかけてたのいま。いやいやまっさかー。
「あのさ、ここ俺と君しかいないっスから」
「デ、デスヨネー」
視線感じるからこっち見てるんだろうなぁ。(目は決して合わせない。むりです)
このキラキラした人はわたしに一体何の用があるの。二度と関わらないと思ってたのに!!
「ねぇ、名前はなんていうんスか?」
は?
「え、なんでそんなコイツ何言ってんだみたいな顔するんスか」
いやいやいや!するでしょ!
なんであなたみたいな人がわたしの名前を知りたがるんですか!なんの足しもなりませんでしょ!
「俺は黄瀬涼太っス」
「あーえーと、間宮カオルデス…」
「間宮カオルちゃんか〜よろしくっス!じゃ、俺部活あるんでまた!」
黄瀬くんは爽やかに走り去っていった。
よろしく、とまたね、ってなんだ。あの人言葉の意味わかってないんじゃないですかね。
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