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□きみをよぶ
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◎玉狛支部でございます
ボーダー玉狛支部は、所属10名…いや最近13名になった少数精鋭の部隊。
水路に浮かぶ孤高の基地は、本部の威圧的で無機質な感じとは違って、どこか郷愁にかられる。
…そりゃそうか。わたしここで育ったようなもんだしなぁ。
「そんなわけで、ただいま!玉狛!」
「なまえ!おかえり!本当に帰ってたんだね〜」
「栞!栞こそ本当に玉狛に転入してたんだねぇ!」
メガネの民を愛する栞と手をとりあって、意味もなくくるくる回ってみる。
栞は同い年だし、女の子だし、わたしが遠征に出る前は本部にいたし、技術力高いから、(自称)発明家同士仲良しなのだ。
「迅さん、あの女性は…?」
「こっち見たぞ」
「ああ、あいつは…」
「君が黒トリ使いの近界民のユーマ!?んん?どっかで会ったことがあるようなメガネだな…」
「なまえ、ちがうちがう。ストップ」
え?なに?メガネくんじゃなくて、こっちのちゃいちーで髪白いかわいい方がユーマ?
あ!メガネくん思い出した。帰還して早々の謎の会議で城戸さんの前に立ってた一般人っぽいの。ボーダー隊員だったんだ。
「なまえは本部所属だけど、うちに研究室を持ってるんだよ〜」
「変人だけど腕はたつから、稽古つけてもらうのもいいかもな」
「はじめまして!そんな感じのなまえです!個人のランク戦も復帰するのでどうぞよろしくっ」
迅の紹介が気にくわないけど、まあいいや。あとで肩パン決めてやろう。
「B級の三雲修です。よろしくお願いします」
「空閑遊真。よろしく、なまえ先輩」
玉狛のニューフェイスは、修と遊真以外にも、ちかちゃんって女の子がいるらしい。
ちかちゃんはレイジくんの弟子で、今、レイジくんはちかちゃんをお家まで送ってるらしい。親御さんもあの人みたら安心しそうだわ。
「ところで栞、桐絵はもう帰っちゃったよね?」
「うん。なまえが会いに来ないってぷんすかしてたよ〜」
「全ては城戸さんのせいだ。きょん介は?こっちに移ったんだよね」
「そうそう。とりまるは『ハル先輩のことだから、本部のどっかで寝まくってるんでしょ』って」
「奴もエスパー族か!!」
エスパー族の長は言わずもがな蒼也さんだ!
そんなエスパー族のきょん介、烏丸京介(16)が修の指導係ってのには超納得。きょんは、年上のわたしの面倒見ちゃうくらい面倒見の鬼だから、先生に向いてると思う。
桐絵、小南桐絵(17)はなんと遊真の指導係だとか。桐絵とはほんとに小さい頃から一緒にいるけど、頭使うより感覚で戦う派だから、教える側になってるとは驚き桃の木。
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