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□きみをよぶ
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◎学生の本分はなんちゃら








「その様子だと、終わったようだね」

「はい!よろしくお願いします!」






1時間たっぷり使って埋めた解答用紙を、教頭先生に渡した。

ロマンスグレーが素敵な先生はじっくり解答を見たあと、大きくひとつ頷いた。







「ボーダーの生徒たちは優秀な子が多くて、素晴らしいですね」

「ということは、合格ですか!?」

「うん。年明けから待っているよ」







フゥゥゥウ!!よかったー!!

万が一にも入学拒否られたら、城戸学校に詰め込まれる所だった!!










さて、時を遡ること2日。




玉狛で桐絵ときょん介を待ちつつゴロゴロしていたら、わたしの携帯がジョーズのテーマを奏でた。デーデ デーデ。


そう、組長(城戸さん)からの着信である。


2秒ほどためらってから通話ボタンを押すと、1時間後に司令室まで来いとのこと。

質問の隙も与えずに通信は切られ、桐絵ときょん介にお手紙を残し、泣く泣く超特急で玉狛支部を後にした。







「ボーダー提携校の編入試験を受けて来なさい」


「ほへ?学校?」


「お前はまだ17だろう。学校へ通うのは当然だ」


「むう、それもそうか。提携校だし落ちたりなんてしないよね?」


「当然、不合格になることもある。そんなことになったならば、私が直接指導するしかないな」










なるほどつまりわたしに残された猶予は2日…!



司令室を飛び出し、歩いてた東さんを捕らえ、東さんが防衛任務に行ってしまったから、ふらふらしてた諏訪さんとランク戦をし、真正面から表れた蒼也さんに泣きつき、ふらふらしてたカゲちゃんとランク戦をし…。



2日目の朝から夕方はランク戦のブースに引きこもって、ポイント稼ぎに勤しんでいた。

この辺は机に向かいすぎて、疲労し、現実から全力で目をそらしていたと思う。




それでもそろそろやめねば、ってとこで荒船の哲次くんが対戦相手になった。




哲次くんてお兄ちゃんいたらこんな感じだろうなぁ、ていうわたしの理想の兄像でして。元気もらって、それから勉強もみてもらった。

夜は忍田さんと沢村の響子さまにお手伝いいただき、無事に合格したわけですよ。ええ。





思えば今のわたし、最終学歴中学中退だわ。


はは!笑えなー!!
マジでよかった!周りの大人がしっかりしてて!









「…うわあ、不審者がいる」

「え?!出水じゃん!てかなに、不審者どこ」

「おまえだよ!なんで下駄箱で仁王立ちしてんだよ!!」







なんと心外な!立ってただけで不審者扱いだなんて!







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