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□きみをよぶ
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◎歌丸と菊丸








腹が減っては出水も待てず。


本部待機で暇そうにしてた蒼也さんを発見したので食堂にやって来た。焼肉まで6時間あるし!胃を動かさないとね!軽く軽〜く。







「蒼也さん何にする?勉強みてもらったお礼におごります!」


「カツカレー…いや、天ぷらそば」


「かしこまりましたァ!」







さぁて、わたしは何にしようかなっと!

蒼也さんがカレーとか一瞬言うからカレー食べたくなっちゃったよ!




焼肉の前だからガマンガマン。無難に素うどんにしとこう。







「え。あんた素うどん?うるさいし元気あり余ってるみたいだから、肉ってイメージなんだけど」







はぁーん?何さこの斜め45度から見下してくる感じ。

声のした方を向くと、やる気0パーセントな目をしたおかっぱの少年がいた。ん?この少年は確か…。




「蒼也さんとこの、菊丸!」

「菊地原だけど。その無駄にあるエネルギーを少しは脳の活動に使ったら?」

「うはぁ!絵に描いたような生意気っぷり!」

「生意気で悪かったね」

「いや!全然?嫌いじゃないよ!」



あ!こいつ本物のアホって顔された!慣れてるからすぐわかるわ〜。とりあえずそばとうどんをトレーにのせて席に戻る。

菊丸はラーメン2つ運んでる。じゃんけん負けたらしい。







「なまえ先輩は素うどんですか?」

「みなまで言うな!今晩は焼肉なんです!!」




トレー置いた途端に歌丸からもつっこまれましたよ。ええ。


出水は誰にも言うなって言ってたけど、勢いで言っちゃったわい!





「クリスマスイブに焼肉ですか」

「ひとり焼肉とか寂しいにも程があるでしょ」

「焼肉か。悪くないな」

「え、待って。クリスマスイブなの。今日」






三者三様の反応があったけど、引っ掛かったのは歌丸のクリスマスイブ発言。言われてみれば12月24日じゃん!



出水は彼女とデートとかしないのか??







「へえ、出水先輩と行くんだ…」

「ほげ!?心読んだ?!」

「は?声に出してたじゃん」






たはー!しまった!確か菊丸は聴力強化のサイドエフェクト持ちじゃんか!!

でもぶつぶつ呟いちゃうのクセだもんなぁ。ごめんな、出水。






「出水先輩に誘われたんですか?」

「そ。たまたま会ってね」

「そうか。出水が…」

「ふん。出水先輩物好きだね」

「ちょちょちょ、なんなのその感じ!感じ悪っ!多分太刀川さんとか陽介もいるって!焼肉だよ!?ニヤニヤすんのやめろや歌丸!」





なんか変な勘繰りされてるよ!!

こういう空気は苦手だ!いじられ慣れてるけど、色恋沙汰はノーグッド!






「いや、絶対2人ですって。出水先輩とつき合うことになったら教えて下さいね」

「なまえ、出水にあまり迷惑かけるなよ」

「勘違いだと思うけどなー。あんたと付き合う人なんているわけ?」






好き勝手言いやがって風間隊め!!

歌丸は自分が彼女いるからって何でもそうやって結びつけたがるんだ!!蒼也さんに至っては保護者だよ保護者!


菊丸は失礼なことぶつぶつ言ってるけど、今回は全面的に肯定!!



自分で言ってて虚しいけど、わたしの内面知っててつき合いたいなんて猛者はいねーでしょうが。







「何言ってるんですか!なまえ先輩は可愛いですよ」


「ありがと、歌丸。見た目は美少女、中身はオヤジとはあたいのことだよ」


「確かになまえは黙っていれば可愛らしい顔をしている」


「わあい!蒼也さんに褒められた〜」


「何でもいいけど、勘違いは痛々しいから気をつけてね」


「うん。君らが勝手に盛り上がってたよね」







これ以上ここにいるといらんことで詰められそうだから、うどんかっこんで席を立った。

ったく出水、さっさと連絡よこせや!








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